コロナウィルス対策で、東京都は今日にも休業要請の概要を発表するようですね。
緊急事態宣言以降、国と都との間でゴタゴタしていたこの問題ですが、「休業補償」という言葉が誤解を招かなければよいですね。
そもそも、日本の法律では緊急時も強制力ある措置は執行できませんので、民業に対する措置も「要請」止まりです。
国や都が行う「要請」の結果、民間業者に「補償」する義務が生じるかというと、「生じない」ため、そもそも、「休業補償」という切り口でいくと、最後には「そんな義務はない」という結論になってしまいます。
都が実施するとすれば、公衆衛生上の観点から要請に協力してくれた民間業者への「協力金」でなくてはならないはずです。
先に出た「休業補償」というキーワードに対して、ネットニュースでは「事業リスクの範囲だろ」というコメントを見ました。その通りだと思います。ただし、正論としてはそうですが、こんな事態を「想定すべきリスク」とした場合、自営業なんてほぼできませんよね。コロナウィルス終息に向けた対策とともに、生かすべき事業者を救う施策が出ればよいのですが。
さて、前置きが長くなりましたが、無関係な話ではありません。今日は「中学受験と想定すべきリスク」について考えてみたいと思います。
中学受験に取り組む際、どのようなことをリスクとして想定しておくべきでしょうか。
ちょっと想像を膨らませて、以下に列記してみたいと思います。
・塾通い、通信教育などしてみたけど、志望校に合格できない。
・子供が受験で心身のバランスを崩す。
・身の丈に合わない出費を続け、資金がショートする。(負債を負う)
・親に負担がかかりすぎた結果、仕事や家庭に悪影響を及ぼすまでになる。
細かいことを挙げるともっとありそうですが、概ねこんなところに集約できそうな気がします。順番に見ていきましょう。
1つめのリスクは、多くの人が心得ておかなければいけないでしょう。なんせ、「中学受験で第1志望校に合格できる人は約3割」なんて言われているようですので。
ただし、第1志望だけが志望校でないことや、そもそも中学受験に取り組んだ経験や、そこで学んだことは必ず子供の財産になります。導き方によっては、「不合格すらも経験としてプラスに転化する」ことが可能ですので、広い意味では「リスク」とは言えないかもしれません。
ただし、1点だけ、「子供の意に反して行った受験」だけは別です。その場合の「不合格」という結果は、子供に与えなくてよい挫折感を味わわせることになりますので、こういう場合は「ハイリスク」と言えます。
こういうことで子供の人生を変な方向に逸らせてしまうと、軌道修正をするまでに時間がかかり、結果として、遠くない大学受験にマイナスとなる可能性がありますね。
2つ目のリスクも大変重要です。
受験勉強はだいたいの場合が2年程度続く長丁場ですし、その間の子供の負担も相当なものです。身体への負担というのは、外見からでもある程度把握することができますが、心の負担については、なかなか気づきにくいものがあります。
難しいのは、「適度な負荷は子供の成長に繋がる」一方で、「それを超えてしまうと逆効果になることもある」という点で、私は普段、この点を一番気にしています。
「負荷がその子にとって適当かどうか」は、子供の性格ややる気によって変動しますので、「人にとっての適切な量」が我が子にとって適切ではない可能性がありますよね。
いずれにしても、このリスクはある程度防げるリスクなので、起こったときの心の備えより、起こさない努力が求められるでしょう。
3つ目のリスクも、努力によってある程度防げるリスクです。
特に、複数人お子さんをお持ちの方の場合、長子の受験を検討する際に、下の子にも同程度にお金をかけるつもりで決断しないと、末っ子が受験したいと言い出した時に「お金がないので、何かをあきらめなければならない」などということになりかねません。
余談ではありますが、青ティは3人兄弟だった(順番に、赤ティ、青ティ、黄ティです)のですが、私の母は私たちがかなり小さい頃から、「我が家は国公立大学しか行けない」と言い続け、まあまあ早い段階から、我々兄弟の頭には「その言葉」が刷り込まれておりました。
最終的に、皆、国立大学に進学しましたが、兄弟の中で唯一私だけは、少々出来が悪かったので、中学生のときに塾に通わせてもらいました。両親としては、将来、国公立大学に進学することをマストとし、その過程では、多少の通塾費用を計算に入れてライフプランを立てていたかもしれません。(聞いたことはありませんが)
4つ目のリスクは、最悪の場合、「家族の間に溝ができる」とか、「離婚」というようなことに繋がりますので、注意しなければなりません。
このリスクも、2つ目、3つ目と同様に「防げる」リスクのように感じられますが、私は、「防ぎ難い場合もあるリスク」として心の備えをしておいた方がよい種類だと思っています。いや、そう思っていたほうが、より適切な行動がとれると言ったほうがよいでしょうか。
夫婦関係を例にとりますと、普段から、結構ささいなことで意見が分かれることがないでしょうか? そう、それを前提にすれば、なぜ、「子供の受験だけ夫婦の意見が一致する」と言い切れるのかという話です。
そういうことで、私自身は、いざというとき(夫婦の意見が分かれたとき)にはこういう風に決めようと考えていることがあります。先にお話ししてしまうとお寒い感じですので、もし何かピンチが訪れた際にまた書いてみたいと思います。(成功例として)
さて、毎度のことながら、薄めの分析で恐縮です。
こういうことを折に触れて書くのは、困難に直面した際に困らないよう私自身の考えを整理している側面が強いのですが、皆さまも部分的に参考にしていただければと思います。