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不要となった基準を撤廃する

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先日、ひょんなことをきっかけに妻のラインにチリ太郎の保育園時代の同級生の親御さんから連絡が入り、近況の報告みたいなことに繋がっていきました。

我が家の場合、チリ太郎の小学校時代の同級生とは繋がりがないのですが、保育園は小規模で家族イベントも頻繁に開催したせいか、今でもグループラインが生きています。
保育園の同級生とはいえ、小学校は国立、私立、公立で分かれ、公立も学校が分かれていたので、各家庭の進路は当初から多様でした。
ただ、共通するのは、皆中学2年生になっているので、高校受験を視野に入れ始めているということですね。

受験を視野に、熱心に取り組んできた部活動やスポーツをセーブするご家庭
都立高の文化祭を見に行かせなければと計画を練り始めているご家庭

そんな情報に触れると、東京の進学事情は私のように地方出身者には想像できないような大変さがあると感じました。(時代もありますが)

青:うちの田舎は公立の進学先と言っても実質、地域の2~3校しか対象に入らなくて、内申を考慮すれば1択or2択というところだったけどね。今の東京は偏差値帯で切っても、通学範囲を1H程度に設定したらかなり多くの学校が対象になるよね

妻:まあ、私の頃は学区で受験校が限られていた時代だから今とは違うけどね

青:文化祭とか見せると言ってもさ、何校見ればいいんだって思っちゃうよ

妻:中2の段階では子供はピンとこないだろうから、親が選ぶんだろうね。私は受験校は自分で探して決めたなぁ

青:どういう観点で?

妻:受かりそうであることを前提に、自宅から近めのAとBで、Aはプールが無いから嫌だな、みたいな

青:進学実績とか就職実績とか関係ないね

妻:担任から「落ちるリスクがあるから」と滑り止めの私立受験をしきりに勧められたのを覚えてるよ。でも、ちゃんと受かったからな

そんなことを話している折、「都立高校入試24年度にも男女別定員を廃止へ」というニュースが飛び込んできました。
もしかしたら、同級生の受験にも影響するかなとニュース記事を読んでみましたが、私は、

青:「早ければ24年度入試で廃止なので、チリ太郎の同級生はまさに影響を受ける年代になるけど、受験する当事者は変化を実感するような変更だろうか?」

という感想を持ちました。どうでしょうね?

ネットニュースのコメント欄や掲示板では、

「日比谷が女子ばかりになるぞ」

とか

「いやいや、反対に男女で7:3程度に男子が増えるはずだ」

とか

「女子割合が増えるのは中位層の学校だ」

とか

様々なデータを根拠に予想が飛び交っていました。

私自身は、「男女定員など必要ない時代に入ったなら、早々に廃止してしまえばいい」と思っています。
大事なのは、受験する当事者(生徒)が、そうした条件で入試に臨むのだと認識することであって、結果として各学校の男女比に偏りが出たとしても個別対処すればよいと思っています。

ここに至るまでの議論の中で、気になっている点があります。
例えば「緩和策(※定員の10%を性別によらずに合否判定できる)を導入した今年2月の試験でさえ、緩和策を検証した結果、男女別定員でなければ、女子は284人が、男子は15人が希望校に合格するはずだった」というように、旧制度がデータとしては女子に不利になっていたのは明らかです。しかし、受験した当事者が従来基準に不平等感を感じていたかという点は報道ではあまり目にしていません。
「当事者の声」ではなく、データを見た専門家やフェミニストの声の方が大きく感じられたことに違和感を覚えます。

曰く、「合格するはずだった学校に行けず悔しい思いをする女子生徒をこれ以上増やさないために…」
みたいなコメントも目にしました。(知り合いにそんな人がいたなら否定しませんが)

そもそも、
「入試と違う選考基準で計算したら、私は受かっていたはずだ」なんて思う人がどれぐらいいるか(いたのか)?
昨年度入試結果で「不利益を被った」とされる上記の女子284人、男子15人のうち、こんなの理不尽だと思った生徒が何人いたのか?

私は当事者ではないので説得力はまるでありませんが、一般的に、とある試験で不合格になったとして、「実際に行われたものとは異なる基準で集計したら結果が違っていた」なんてことは調べたりしないでしょうし、それを根拠に何かを訴えることも意味が無いことだと思う気がします。なぜなら、試験前に基準は示されていていたわけですからね。
一部大学の医学部受験のように、公表されている選考基準とは異なるものが裏にあったら別ですけどね…。

まあ、いずれにしても、こうした取り組み(意義の薄れたものを正すこと)は良いことだと思うのでどんどん進めて欲しいのですが、ジェンダー問題などと絡めすぎないことですね。
無用な議論を生みますので。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    受検した当事者は、男女別の合格最低点を知る術ものないので、なぜ不合格となったかは「点数が足りなかった」以上は言えないと思います。NHKのインタビューなどでも、都立に合格できなかった女子生徒が男女別定員でなければ受かっていたのかもしれないという声もありましたが、情報が全て開示されない限り、推測としてしか扱われません。

    私立公立にかかわらず男女別定員が設けられている学校では、女子のほうが合格最低点が高い傾向にあることは知られていることで、経済的事情から確実に都立に行かなければならないという理由で、確実に合格できそうな学校に下げたということはよく聞きます。これは埋もれてしまっている「当事者の声」だと思います。

    残念ながら、教育機会は雇用機会にも影響を与え、生涯年収にも関わってきます。女性の貧困が昨今になってようやっと問題視されるようになってきましたが、男女別定員等々で差が生じ始め、その差が積もりに積もり、数十年単位で個人では克服し難い格差となっているのではないでしょうか。

    都立中高一貫校でも同じ問題があり、繰上合格は合格点数で選定されるので、学校によっては女子が男子より20名ほど多い学校もあり、女子の合格最低点が男子のより高いことを示しています。

    この問題は女性だけでなく、男性、LGBTQを含むジェンダーの問題であり、特に男子生徒の成績低迷は原因を究明すべき事項だと私は思っています。

    • 青ティ より:

      なるほど、大変勉強になります。
      ご意見、ご指摘ありがとうございます。
      都立校の募集枠問題については、望ましい方向への改革指針が出たわけなので、これがどのように社会に影響を与えていくか見ていきたいと思います。