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「次は東大」となるのか?

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2月3日は御三家等、難関私立中学の合格発表日となっています。

これらの学校の合格発表日には、各学校の校門前でチラシを配布する塾業者の姿を見ることができます。
誰もが知っている大手予備校もあれば、あまり馴染みのない塾もありますが、別格の存在感を見せるのが「鉄緑会」です。(チラシの受け取り率の高いこと…)
キャッチフレーズが変わっていなければ、そのチラシには「合格おめでとう次は東大!!」と書いてあるはずです。まあ、東大(及び国立医学部)を目指す中高生とその保護者には一目置かれる存在と言えるでしょう。

鉄緑会の場合、通常は入塾テストで基準を満たした者が入塾できるところ、指定校となる学校の新入生については、定められた期間までに手続きをすることで入塾テストを受けることなく入塾することができます。
まあ、塾側からすれば青田買い、有力な生徒の囲い込みということですが、これが有効なのは塾側に圧倒的な実績とブランド力があってのことです。

実は私もそんなブランドの力に靡いてしまった1人です。
私が熱心に勧めたため、チリ太郎も「まあ、そんなに言うなら」ということで数学1教科だけの通塾をしましたが、結果としては1年だけの通塾に終わりました。
やっぱり、一番重要なのは「本人がやりたい(通いたい)と思うか」ですね。

その点は中学受験も同じところがありますが、本人のやる気を親の期待が上回るケースというのは、あまりよい結果になりません。

チリ太郎の場合は、鉄緑会を辞めた後も学校の成績は下がりませんでしたので、特に不都合はありませんでした。
しかし、親である私の中では、「自分自身のミスリード」としてやや苦い思い出となっております。

中学受験も独自の方法で乗り切ったチリ太郎なので、なんで今更になって親がしゃしゃり出てしまったのか…。
チリ太郎自身が大学受験を意識したときに、どんな環境が最適なのかを自分で判断すればよいことです。
焦る必要は無かったのですけどね。

そんな苦い経験を持つ私が今にして思うのは、

「冷静に考えたら、6年間の通塾は長すぎるよね」

ということです。

そもそも、塾や予備校というのは、「具体的な目標に向けて対策をするところ」です。
鉄緑会で言うなら、東大や国医に入りたい人がその対策方法を伝授してもらうために通塾するのです。

そう考えると、いくら日本の最高学府を目指すとはいえ、その対策に6年を費やすというのは長すぎますよね。

例えば、大人が何か目標を立てるとき、
具体的に、「仕事に必要な資格を取りたい」と思ったとします。

個人的な計画を頭の中で立てると思いますが、最初から長期プランを立てますかね?

スクールに通ったり、自宅で勉強をしたりすると思うのですが、まず1年以上の計画を立てることは無いと思うのです。
基本的に、「何かの対策をする」というのは「短期集中」で考えるのが普通です。

そう思うと、
最難関大学に高校生が臨むことを考慮しても、6年プランは無いですね。
2年、長くて3年というところが妥当ではないでしょうか?

鉄緑会がうまい商売をするなぁと思うのは、
「今なら無条件で入会できます」
「鉄緑会は先取りカリキュラムで進みます」
ということを知らせることで、

「今入らなければ、後からは追いつけないのでは?」

と思わせるところです。

実際には、所属校でそれなりに勉強を進めていれば、高校からでも入塾試験を突破できるのですけどね。
チリ太郎の学校のOBでも、そういう方が多数いらっしゃるようです。
高校になってから入塾試験を受けて、レギュラークラス(上位数十名のエリート)に合格してしまった猛者もいらっしゃるようです。(かなり特殊な例かもしれませんが…)

結局、
「所属校のカリキュラムを信用できるか」
「(ちゃんと勉強させるという点で)我が子を信用できるか」

ということなのです。
鉄緑会の提案するカリキュラムは「最短ルート」である可能性はありますが、それしか道がないわけではありません。

所属校でしっかりと勉強を進め、高校1~2年の時点で東大を目指せる位置にいるのであれば、そこから鉄緑会い入ったってよいのです。(多分、合格できるはずです)
逆に、所属校でしっかりと勉強をできない子は、そもそも先取りカリキュラムにはマッチしないと思います。(つまり、通塾の効果が期待できない)

このあたり、ちょっと何かに似ている気がしませんか?

SAPIXです。

小学1年生から入らないと募集枠が無くなってしまうと言われて入塾し、

(もちろん、最初から最後まで上位層という人もいると思いますが、)多くは後から入ってきた有力層に抜かれ、

みたいな。

中学受験塾には「面倒見の良し悪し」という評価はあってもよいと思いますが、さすがに大学受験を目指す塾に「面倒見の良さ」を期待してはいけません。
だから、「所属していればなんとかしてくれる」なんてことはありません。

そんなわけで、

「東大に入りたい」なり、
「勉強で頂点を目指したい」なり、

中学受験のとき以上のモチベーションが無い限りは、中学1年から鉄緑会に入る必要は無いでしょう。
鉄緑会に限らず、中学1年生からの通塾というのは、よくよく考え、お子さんと相談してからの方がよいと個人的には思います。

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コメント

  1. 70回生の母 より:

    青ティさんと全く同感です。
    愚息のルームも2/3近くが鉄に通ってるらしいと聞いた時は親は気持ちがザワザワしましたが、愚息は最初から今も変わらず「まだ行かない。行かなくて大丈夫」です。
    秋の保護者面談の時に担任の先生からも「焦らなくて大丈夫ですよ。段々辞める子が増えていきますから」と飄々と仰いました。
    幸い先日の校内実力試験も親の想像を上回る出来で(親としては深海魚じゃなければいいかという程度でした)、まだ中1だし学校生活が充実していれば十分と思っています。

    大学受験は中受と違い本人の受験ですので、何はともあれ本人が目標を見つけて、やる気を出すのが1番だと思います。本人にエンジンがかからないと、親がいくら言っても響かないでしょうし。

    学校のカリキュラムにきちんとついていくことを中学時代は目標にしていこうと思っています。

    • 青ティ より:

      70回生の母様
      コメントありがとうございます。
      鉄緑会の言うことってまあまあ説得力あって、戦略としても正しいと思うんですよ。
      数学と英語を早く固めてしまう。そこで生まれた時間を2次対策や別教科の強化に充てる。
      ただ、もともと私立一貫校のカリキュラムは公立より早めという中で、その3倍速ぐらいのスピードで数英のカリキュラムを進めるということで、そこの理解度ってどうなるのか?
      結果として学習効率がどうなるなかですよね。
      しかし、ご子息の「まだ行かない。行かなくて大丈夫」という発言は痺れますね。
      先のことも自分のことも、すごくよく見えています。
      これはなかなかすごいことで、実力テストの結果もマグレじゃないのでしょうね。

      • 70回生の母 より:

        青ティさんに愚息のこと褒められると、何だかこそばゆいです。口では一人前のことを言ってますが、実情は帰宅後「疲れた〜」でソファにゴロン。そこから中々動きませんし、やおら勉強を始めるのが遅すぎる。その間、他のお子さんたちは、学校や塾の勉強をしてると思うと、親はヤキモチしっぱなしです。

        鉄のカリキュラムについていけて、学校の勉強も難なくこなす猛者であればいいのですが、うちの子はどう考えても無理だと。

        学校からも言われているように、親は長い目で見守る忍耐力が求められているのを痛感しています。