本日も中学受験関連の話題です。
つい先日、用事があってチリ太郎の学校のHPを眺めていたら、学校説明会・見学会のお知らせが出ていました。
そういえばチリ太郎もこのぐらいの時期に説明会や見学会に行ったなぁと懐かしく思いました。
まだコロナの影響が大きかった時期でしたので、受験年やその前年はどこの学校も説明会を10月あたりの1回のみに回数を絞っており、学校説明会の枠を取るのが結構大変でした。
どの学校もこの時期に学校説明会を設定していることを見ますと、受験年のご家庭にとっては、志望校の最後の絞り込みの時期が10月頃ということなのだと思います。
皆さん、学校説明会も含めて幅広に情報収集されて受験校を決定すると思うのですが、私はつい最近、ネットニュースを見ていて気付いたことがあります。
そのニュースというのは、大まかに言って
・渋谷学園(幕張・渋谷)の勢いが凄いですよ
・御三家を辞退して進学する人もいるほどで、今や御三家と肩を並べるほどの存在ですよ
・同校の実施している教育が、若い世代の親御さんの支持を得ているようですよ
というようなものです。
そんな記事を見て私は
「まるで株のオススメ銘柄を伝えるような記事だな」と思ったのですが、そこではたと気づきました。
中学受験関連で世の中に出回っている情報は、「その学校のブランド(人気とか、評判とか)、表層について述べる記事」と「実質的な教育内容などに触れたり紹介したりする記事」に分かれる
ということです。
そして、先の記事のように、「その学校のブランド」についての評論がとにかく多い。
やっぱり、そういう記事って面白いというか、週刊誌的に人の下世話な感情をくすぐるのですよね。
また、「論評」という形で大した裏付けも無く記事化できるという事情もあるでしょう。
先の記事で言えば、実際のところは渋谷学園も御三家の学校も、近年で教育方針や教育内容ガラリと変わったなどということは無いはずで、それぞれのやりたい教育に邁進しているはずです。
変化するのは、受験のトレンド、人気みたいな部分ですよね。
そして、それに引っ張られる形で志望者の質も変化し、偏差値に僅かな上下が生じたりするわけです。
そのこと自体はそれらの学校の実質的な教育には一切関係ない話ですけどね。
でも、そうした記事の方が面白いというのが不思議です。
・「A校がB校を超えた」とか
・「C校の凋落が顕著だ」とか
・「D校はこれから偏差値が爆上がりする有望校だ」とか
なるほど、などと思いながら見てしまいますが、一歩引いた目で見ると、
「それは当該学校の教育活動自体とは全く関係ない話」だと気づきます。
本当にそういうところは気をつけなければいけませんね。
偏差値の上下、入試倍率の上下を学校の教育活動の質の変化と関連付けるのは明確な誤りです。
でも、そうした記事って意図的でないにしても、そのように人の心を誘導していきますよね。
そうした一方で、「実質的な教育内容などに触れたり紹介したりする記事」っていうのは、滅多にお目にかかることがありません。
過去、おおたとしまささんが私立学校を訪問して授業をレポートするような記事を見たことがありましたが、実によい記事でしたね。
でも、本当にそうした本質に迫る情報というのは少ないものです。
正直、学校説明会などはセルフPRなので、良いことしか言わないでしょうし、
「それで、本当のところはどうなの?」
という疑問、モヤモヤを皆が持って帰るわけです。
私もそうでした。
多くの保護者さんは、大切な我が子の学校選びを「失敗したくない」わけで、とにかく、事前に「この学校は大丈夫」という「確信に近いもの」を得たいわけです。
それには、人の論評ではなく、教育方針に基づく客観的な実例を多く集めるしかないわけです。
ただ、そうした情報はあまりにも少ない。
いっそ下世話な方に振り切って
・学校のブランドこそが私が最も重要視する点だ
・誰もがうらやむ、自慢できる学校に入れたい(そしてその学校はその地位をキープしてほしい)
・入学するのは難しくないが、将来的に偏差値が上がって学歴として自慢できるお得な学校を探したい
ここまで言い切れれば、実に清々しいですけどね。
もちろん、良識のある人はそんなわけにもいきません。
一つ考えられるのは、独自にその学校にいる生徒や保護者にヒアリングして回るなんて大胆な方法がないこともありません。
それにしても、大勢には聞いて回れないですから、たまたまいた知り合いの2、3人から聞き取るぐらいが精いっぱいですよね。
私のブログも、チリ太郎の中学進学後はそうした情報を補完するような記事を出していきたいなと思っていたのです。しかし、諸々リスクがあって軌道修正した過去があります。
意外と、そういう情報を出していくというのは難しいものです。
内容について学校の許可を取らなければならない、学校は生徒や保護者に配慮しなければならないというように、視聴者に届けるまでに結構手がかかるのですよね。
それにしても、各学校はそれぞれの教育内容に自信を持っており、悪いものを公表するわけではありませんので、もう少しその学校の実態をレポートする記事があってもよいと思うのですけどね。
そういうものが少ない現状では、
「その学校が子供に合っているかなんて、数年通わせてみないとわからない」
「直観を信じて飛び込め」
としか言えないですから、真面目で慎重な人ほど悩んでしまいますよね。