先週末、都立南多摩中等教育学校の学校見学に参加してきました。
今回は生徒1名に保護者1名のみの参加枠ということで、私は参加せず、チリ太郎と妻が参加しました。
私は、以前、同校の授業見学に参加したことがありましたので、今回はまだ施設を見たことが無い妻に譲りました。
私が見学したときは、まだ新型コロナが広がる以前だったのですが、その時、決断を先延ばしにしなくてよかったです。まさか、学校見学にこんな制約が加わる事態になるとは、誰にも予想できなかったことと思います。
南多摩の立地ですが、都立中高一貫校の中で最西端に位置する学校で、JR八王子駅から徒歩12分(体感としてはもう少し近い印象があります)、京王八王子駅から徒歩3分という好立地にあります。
このアクセスの良さから、JR中央線沿線ですと、八王子以西から小金井市あたりまで、京王線沿線ですと、府中市や調布市、多摩市あたりから通いやすい学校となります。
東京西側(多摩地区)エリアの都立受験生は、都立武蔵、立川国際、南多摩の中で志望校を選ぶような感じでしょうね。(三鷹は立地的にバス通学なので、通学の制限が強めかなと感じます。)
私自身は参加していませんが、妻からの聞き取りや資料などを参考に、南多摩の特徴をまとめてみたいと思います。
・教育活動面で最も特色のある取り組みは、「フィールドワーク活動」といえる。
http://www.minamitamachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/entry_0000046.html
・上記にキャリアデザイン教育を組み合わせることで、進路指導(志望大学や専攻)、ひいては就職などにも好影響をもたらしている。
・部活動は南多摩フィルハーモニー(オーケストラ部)や和太鼓部が有名だが、種類は少な目で、前期(中学)と後期(高校)で活動が分かれている。
・学校施設は古め。都立高校に通っていた妻曰く、「まあ、私が通っていた都立校のイメージとほぼ同じだな」とのこと。
・ランチルームがあり、前期生はここで給食を食べられる。
・進学の傾向として、約半数が国公立大学に進学。
・入学実績(入学人数)と進路実績(卒業人数)の比較から、毎学年、10名から20名くらいの転出者がいると思われる。
南多摩が推進している「フィールドワーク活動」は非常によいですね。
すごく大まかに言えば、身近な事象に興味や課題意識を持ち、それを深堀りしていく教育で、最終学年では論文に仕上げるところまでもっていきます。この論文の内容がなかなか立派で、学校の指導に力が入っていることがよくわかります。
また、このフィールドワーク活動の中で、自分自身の興味に気付き、具体的な進路(大学や研究したい分野)に繋がっている例もあるようで、全ての生徒にうまくはまるとは思いませんが、貴重な機会になることは間違いなさそうです。
部活動は、全体的なイメージとして運動部中心という感じですね。
公立中・高で過ごしてきた私からすると、「よくも悪くも公立っぽい」印象です。
私立校ですと、文化部にもすごく力が入っている印象があるのですが、残念ながら、そういう部分での選択肢は狭いと感じました。(南多摩フィルや和太鼓は文化部かもしれませんが、練習は相当ハードだと思われます。)
また、中高一貫校ですが、活動が前期と後期で分離してしまっている点も、少し残念だと思いました。逆に、前期と後期で別の部を選択する生徒さんもいるようで、しがらみがないというメリットはあるかもしれませんが。
→(後日訂正)部活動は前期(中学)と後期(高校)に標記上は分かれていますが、実際の活動においてはいっしょに活動をされているそうです。保護者様から情報提供がありました。
いただいた資料中、Q&Aのまとめ資料にも記載してあったのですが、毎学年、途中で転出してしまう生徒がいるようです。
入学人数(160名程度)と卒業人数(140名程度)を比較すれば明らかなことですが、包み隠さず説明する姿勢がよいですね。
要因としては、親の転勤などの環境の変化の他、もっと良い学校を求めて高校から転出する例や学校になじめずに転出する例などが想像できます。
まあ、どんな学校でもあり得ることですが、こういうデータを他の都立一貫校や私立学校と比較できるかというと、なかなか難しいでしょうね。
後半、ちょっとネガティブな書きぶりになってしまいましたが、トータルではすごく魅力的な学校と認識しています。
特に、フィールドワーク活動は、自分自身の興味を通じて、観察力、分析力、科学的な思考、表現力などの力が養える素晴らしい内容だと思います。
また、中学のみ給食があり、専用スペース(ランチルーム)で食べられるところが素晴らしいですよね。南多摩は敷地内の厨房で調理しており、出来立ての温かい給食が食べられ、弁当持参が多い私立校と比べると環境も親の負担の面でも段違いに良いです。
私の思い込みかもしれませんが、都立中高一貫校を志望されるご家庭は、公立教育に抵抗がなく、大学受験に向けた意識が高い層が多いと思います。
そういう面を最重要視すれば、国公立大学進学率が約半数という実績、他の公立校よりも恵まれた予算、数学や英語などの宿題がしっかり出る学習の面倒見の良さ等、南多摩は受験者層のニーズをしっかり捉えている学校です。
通学圏であれば、進学先の1つとして検討するに値する学校といえるでしょうね。