先月のことですが、上司から「年5日の有給休暇を取得すべく、休暇取得計画の提出」を言い渡されました。
ご存じのように、働き方改革法案の成立に伴い、2019年4月1日から、雇用者は従業員に年5日の有給休暇を取得させることが義務となり、守れない場合は(会社に)罰則があります。
命令ですから、私の場合、あと2日ほど残っているノルマをどこかで消化しなければなりません。(有難く頂戴します。)
本来、有給休暇の取得は各自の裁量(もちろん許可は必要ですが)に任されています。
各自が計画的に年5日を取得していたなら、上司からこのような命令を受ける必要はありませんでした。
つまり、「自主性に任せる」→「守られない」→「強制」という流れですね。
法制化されること自体がそうでしたが、法制化された後にも、結局、「上司命令」という強制措置を受けなければ守られないという体たらくです。
「自律」と「強制」
「自由」と「管理」
どの学校でも、前者を教育理念に掲げがちです。
もちろん、理想を低くする必要はありません。
しかし、進路指導や生徒指導などの実態がどうあるべきかは、よく考える必要があります。
大人ですらままならない理想を、中学生・高校生に押し付けておしまいなのか、それとも、口酸っぱく言い続けながら面倒を見るのか…。(事実上の管理主義ですね)
先日、駒場東邦中学の学校説明会に参加してきました。
駒場東邦中学は、近年、大学進学実績を伸ばしてきている新興校という評価を受けていますが、校風としては、「面倒見がよい」と認知されていると思います。
この「面倒見がよい」は、配慮した表現であり、言い換えれば「管理主義」ともいえると思います。(駒東の方には否定されそうですが)
ただ、それは悪い意味ではなく、「子供の年齢等を考慮すると、実際はそうだよな」という話です。
私は、殊更に「自由」、「自由」と言われるより、「子供の成長を見ながら適切に管理していきます」という説明の方が納得しますね。
このように言うと、麻布や武蔵など、自由な校風の学校をディスってるようにとられるかもしれません。
しかし、そんな薄っぺらい話でないことは知っています。
先日の早稲アカ主催「武蔵高等学校中学校講演会」の最後、広報担当の先生がおっしゃっていました。
広:「保護者の方から、よくこんなご相談を受けます。
『武蔵は自由な学校だって聞きますが、うちの子なんて、一人では何もできなくて。こんなことでは武蔵に入れたとしても、苦労するんでしょうね。』
大丈夫です。中1生なんて全然です。でも安心してください、私たちが責任を持って武蔵生に育てますので。」
ここまで言い切るのもすごいですね。
でも、武蔵は1学年160人程度ですので、自由な校風とはいえ、しっかりと目を配って指導できる規模ですから、これはこれで信頼できる根拠がありますね。