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アップデートされる受験観

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多くの学校で2/10あたりに招集日が設定されていたでしょうから、それを過ぎて1週間もたてば2024年中学受験も大方終了したと言えますかね。

受験年のご家庭が2/1からの10日ばかりの期間に経験する緊張と歓喜、そして落胆。
その振れ幅は私も経験済みなのですが、こうしてブログを続ける中で毎年の受験をウォッチしていると、関係ない我々も不思議な熱を帯びてくるのがこの期間です。
そして、その期間は終わりました。
この熱気にあてられると中学受験に対する考えが再整理されることがあるのですが、私の中でなんとなくまとまった考えを記事にしておきたいと思います。

とはいえ、
受験を終えたばかりの保護者の生の感想というわけでもなく(我が家の受験は2年も前です)、
何人ものお子さんで受験を経験したベテラン保護者の知恵というわけでもなく、

もしかしたら空想家の戯言なのかもしれませんが…。

〇子供がどこまで伸びるかは予測できる?
子供は無限の可能性を秘めているとよく言われます。私は、建前ではなくこの考え方には大いに賛同します。
ただ、それには「長期で子供の人生を見た場合」という前提条件が付きます。

中学受験は2~3年ぐらいの受験勉強で臨むものと想定したとき、それは「短期間」での我が子の到達点を予想しながらの挑戦になります。
所謂「新4年生」と言われる小学3年生2月の時期の我が子を見て、親はどの程度の偏差値の学校を目指せるか予測できるものでしょうか?

その時期になってみて、

「わかりません。でも、子供は無限の可能性を秘めていると思うんですよ」

などと宣う親がいたなら、

「もう少しお子さんをよく観察して出直しましょう」

と言わざるを得ないでしょうね。

あまり大っぴらに言うことではありませんし、他人に聞かれることは少ないと思います。でも、塾の面談では聞かれるのでしょうかね?

「お子さんをどのレベルの学校に入れたいとお考えですか?」

なんて。

それに対する答えとして、「願望」は横に置くとして、客観的に我が子を観察できる親ならば「ある程度の予測を胸に持っている」と思います。それが、意外と正しいのではないかと思っています。

私は、自身に中学受験経験がありませんでしたし、子供もチリ太郎1人しかいませんでしたが、親として子供と生活を共にしている中で、

「中学受験偏差値というものに実感は無いが、我が子が合格できるのはだいたいこのあたりのレベル」

というものは持っていました。(それが今通っている学校なのですが)

もちろん、多くの良識ある親がそれを「決して口にしない」ように、私もある程度子供の実績が伴ってくるまで、「勝負になると思う」などということは口にしませんでした。

ですので、これから受験準備に入るご家庭
「塾に入れた方がよいのかな」なんて考えておられるご家庭には

まず「親の勘」を基に受験をプランしてみては?

と提案したいと思います。
意外と、そこを曖昧にしたままに通塾から入ってしまうご家庭が多いと思いますので。

〇「親の勘」から逆算して受験プランを考える
我が子のポテンシャルについて、「親の勘」が「筑駒」「開成」「桜陰」と言っているなら、サピックスで3年以上の対策を基準としたらよいかなと思います。これが実現可能で手堅い方法、基準と考えます。

「親の勘」が(子供との相性も加味して)「上記以外の学校」と言っているなら、塾はサピックスを選択する必要性が薄れますし、対策期間についても同様です。
サピックスはある程度長めの期間在籍することで結果を出すタイプの塾ですので、対策期間を短くしたいなら別の塾の方が良いケースもあるでしょう。

〇「無謀」と「チャレンジ」の境目
私は「中学受験はサピ1択」みたいな猫も杓子も的な考えには反対です。
しかし、親の目から見て目指すレベルが「最上位」にあって、そこを目指すとしたなら、「サピで3年以上鍛える」というのは1つの基準になるかなと思います。やっぱり、そこを目指す層への指導の確かさは他に替わるものが無い印象があります。
他の方法での「チャレンジ」が不可能とは思いませんが、質と量で「サピで3年」を上回れない方法なら、ただの「無謀」であると私は思います。
一方、最上位以外なら「チャレンジ」の幅は広いと思います。
最上位の学校は「憧れるだけでよい」というケースや、進学先は「最上位でなくても良い」とするなら、「短期勝負」だとか、「塾なし」だとか、受験対策の方法は許容範囲が広いと考えます。
実際、チリ太郎のように初期は通信教育、通塾は1年半という感じでも十分にものになります。

〇何を最良とするか?
中学受験全般に思うこととして、
・長く通塾すれば結果が比例するというものではない
・勉強し過ぎて悪いことは無いが、結果として目標に対して過剰(そこまでやる必要は無かったよねというケース)になることもある
ということを考える人は少ないように見えます。
これを考えるのも子供のためのような気がするのですが…。

「ゆる受験を推奨する」という意味ではありません。
「目標に対して、限界と思えるまでやり切ってほしい」というようなことを教育観として持たれる方もいらっしゃると思います。また、過剰に勉強した分は「安心」に繋がるという考え方もあるかもしれません。
ただ、物事には加減というものがあっても良いなという個人的な考えです。
受験生なのだからといって勉強にばかり誘導するのではなく、趣味、スポーツ、ゲーム、友達との時間、そういう余白の時間を計画に組み込むことが、進学後の燃え尽き防止につながるのではないかと個人的に思っています。

〇やめ時や軌道修正
親も子も、「つらい」「苦しい」「早く終わってほしい」と思うようなら、そもそも中学受験に向いていないのか、どこかのバランスを欠いているのだと思います。
また、今やらなければ、今やらせなければ、今言わなければ「後々後悔することになるのでは」と考えてしまうのも、ほぼ「脅迫観念」です。
そうした思いに駆られてまで受験を継続するというのは賛成できません。
受験計画のどこかに無理があるのだと思います。

〇親の受験の意味
「中学受験は親の受験」と言われますが、そこの解釈は広いです。
例えば、「子供だけでなく、親も伴走などで頑張る」とか「親も子供と同様に(あるいはそれ以上に)努力し、悩み、苦しむ」と受け取る方もいらっしゃると思います。
でも、私はこう思います。
・親の見立ての確かさが一番重要。我が子の学力のポテンシャルと性格をしっかりと把握できるか
・その見立てに従って立てたプラン、子への働きかけが適切か
・大枠では上記を総合して「親の受験」と考える
・子の受験の結果が合否として出るが、親の答え合わせはもう少し先。中高生活の途中までは見るべき
・「親の受験」の勝利者は、どういう結果が出ようとも、我が子の人生にプラスとなる経験を得させることができた人

そんな意味では、私もまだ「親の受験」の結果を受け取っていないのだろうと思います。

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