先日書いた記事で都立中高一貫校のうち、多摩地区にある都立武蔵、立川国際、南多摩の比較をしました。
その3校の比較をもう少し詳しくしてみたいと思います。
おさらいですが、3校の適性検査と調査書を総合した点数の出し方です。
<都立武蔵>
調査書:425点満点→400点満点換算(25%)
適性Ⅰ:100点満点→4倍の400点満点(25%)
適性Ⅱ:100点満点→4倍の400点満点(25%)
適性Ⅲ:100点満点→4倍の400点満点(25%)
上記、合計1600点満点での評価。
<立川国際>
調査書:340点満点→200点満点換算(20%)
適性Ⅰ:100点満点→3倍の300点満点(30%)
適性Ⅱ:100点満点→5倍の500点満点(50%)
上記、合計1000点満点での評価。
<南多摩>
調査書:340点満点→200点満点換算(20%)
適性Ⅰ:100点満点→計算処理後の実質得点267点満点(27%)
適性Ⅱ:100点満点→2倍→計算処理後の実質得点533点満点(53%)
上記、合計1000点満点での評価。
こうして見ると、総得点に占める調査書の割合が低い立川国際や南多摩は、「適正検査の点数重視」に見えますよね。
しかし、それは早計というものです。
この3校を比較したとき、調査書の満点点数が学校ごとに異なることが気になりますよね?
各校の令和3年度募集要項を見ていただければわかるのですが、調査書自体の評価の仕方が異なるのです。
簡単に違いを述べますと、
<都立武蔵>
5・6年次のあゆみを基に
3=25点
2=20点
1=5点
5年次は8教科、6年次は英語を加えた9教科で計算
8×25+9×25=425点満点
<立川国際>
5・6年次のあゆみを基に
3=20点
2=10点
1=5点
5年次は8教科、6年次は英語を加えた9教科で計算
8×20+9×20=340点満点
<南多摩>
5・6年次のあゆみを基に
3=20点
2=10点
1=4点
5年次は8教科、6年次は英語を加えた9教科で計算
8×20+9×20=340点満点
立川国際と南多摩はほぼ同じと考えてよいですが、注目すべきは、3と2の配点差です。
都立武蔵が3と2の評価に5点しか差をつけていないのに対し、立川国際と南多摩は倍となる10点の差をつけています。
これにより、オール3(満点)の受験生とオール2の受験生の差は、
<都立武蔵>
オール3=425点
オール2=340点(満点に対して80%)
オール3受験生とオール2受験生では85点差
得点換算後は約80点の差をもって適正検査を受けることになる。
適性検査の点数(満点):1200点
<立川国際・南多摩>
オール3=340点
オール2=170点(満点に対して50%)
オール3受験生とオール2受験生では170点差
得点換算後は約100点の差をもって適正検査を受けることになる。
適性検査の点数(満点):800点
どうです? 印象が逆転しませんか?
もっとわかりやすく言えば、
都立武蔵の場合、調査書満点の子が適正検査で6割とった場合、調査書オール2の子は適性検査で6割7分とれば逆転できます。
同じ条件で立川国際・南多摩の場合、オール2の子は7割3分とらなければ逆転できません。
まとめますと、
調査書に不安があり、理数系が得意な子は、都立武蔵を受験した方が有利(?)
ということになります。
ここまで調べて、「すごいなぁ、大発見だ」と思い、得意げに妻に教えてあげました。
妻:「1校しか受験できないのに、合格しやすいって理由だけで決めないだろ…。」
青:「そっ、そうね。」