中学受験や高校受験で受験校を検討する際、校風などとともに、その学校の大学進学実績を参考にすると思います。
昨今、多くの学校はホームページなどで毎年進学実績を公表しています。
ただ、大学への進学実績といいつつ、多くの学校は「合格実績」の公表に留まることが多いです。合格実績を見る場合、特に併願が可能な私立学校の合格実績などは、その学校の卒業生以上の合格数になる場合が多いですね。これは皆さんもよくご存じのことです。
そして、ごく一部ではありますが、「受験結果」ではなく本物の「進学実績」を公表している学校もあります。
この場合、生徒1人が複数の大学に合格したとしても、進学する大学は1校だけですから、進学者数は卒業生の数を上回ることはありません。
多くの学校が「合格実績」の公表に留まる中、本物の「進学実績」を公表している学校がなぜそうしているのかはわかりません。
ただ、保護者的な観点では、「合格実績」と「進学実績」で見えてくる情報がかなり違いますので、そうした受験を検討している方に対して「必要としている情報を届けよう」ということを考えた結果なのかなと思っています。実に素晴らしい。
まあ、なかなかできることではありませんし、逆にこれができるのは進学実績をごまかす必要がない高偏差値校であることが多いわけです。
さて、今回はそんな潔い高偏差値校の中で「最上位」に位置する学校、筑波大学付属駒場高等学校の進学実績を眺めてみたいと思います。
筑駒の場合、下記リンクで見ていただければわかりますが、「合格実績」と「進学実績」を両方公表しています。さすが絶対王者というところでしょうか…。
https://www.komaba-s.tsukuba.ac.jp/about/after_graduation/
リンクは2026年の進学実績ですが、記事のネタになりそうな部分を抜き出してみたいと思います。
○国立大学 合格者数86(30)に対して進学者84(29)
現役生で2名、既卒者で1名、国立合格を蹴った生徒がいらっしゃる。
現役生で進学しなかったのは東大理一と都立大システムデザイン。既卒生は秋田大医学部に進学しなかった生徒がいます。
東大蹴りは海外大に進学ですかね?
秋田大は後期合格で私立を選択したか、第一志望を目指してもう1年を選択したと想像。
東大進学者は現役67名、既卒21名の計88名
筑駒は1学年が約160名規模なので、「半分以上が東大に行く」と言われており、その考え方も間違いではありませんが、その年の現役生だけで見るとだいたい40%が東大に進学しているというところですね。
医学部進学者は現役が14名、既卒者が6名の計20名
すごく多いという印象は無いが、うち東大理Ⅲが現役5名、既卒者4名と半分ほどを占めている。そういう面を考慮しても、職業として医師を目指したいという人は少なめなのかなという印象。
○私立大学 合格者数142(83)の計225に対して進学者21(7)の計28名
慶応は現役のみで8名が進学。早稲田も現役のみで6名が進学。つまり、浪人して早慶という人はいないということですね。
医歯学部進学は現役5名、既卒者6名の計11名。(慶応の医学部現役2名が上記と重複します)
つまり、私大進学者28名のうち、早慶と医歯学部の進学者が23名と約8割を占めているということですね。
○海外大学 合格者数4(0)の計4に対して進学者1名
シンガポールの南洋理工大学に進学しています。
全体から現役での進学者数は106名
1学年の生徒数を160名と仮定すると66%が現役で進学していることになり、約34%が浪人していると推計されます。
1人の親としての感想は、「えっ、3割以上が浪人するのか」という驚きが先にきますが、他の学校と比較してこの浪人率が高いのか低いのかはわかりません。
よく自由な校風の学校は浪人率が高いという話を聞きますが、もし浪人率が4割や5割という学校があったなら、保護者は震えてよい数字ですね。
しかし、筑駒のように合格者数と進学者数を併記する方法だと、その学校の進学の動向がよくわかります。
比較できる学校は少ないですが、他の学校のデータも少し見てみたいと思うようになりました。