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熱望と現実のはざま

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先週は都立中高一貫校の合格発表日でしたね。

小学4年生の時点でチリ太郎に素質を感じ、いろいろ進学情報を探し始めたところで最初に行き着いたのが都立中高一貫校でした。
今でもその存在に魅力を感じていますし、そこを目指したいというご家庭があったら「是非チャレンジしてみては」と勧めると思います。
学校で行われる教育内容、教育環境はおすすめできる内容です。(私立と違って給食があるのも魅力です)

チリ太郎の受験を振り返ると、5年春時点で通信教育などを始め、この時点では得意な算数は私立中学受験レベルの教材を、苦手な国語は作文学習を受講していました。(いずれもZ会教材です)
その後、秋に地元の個別指導塾に通うようになった時も、受験の難易度を考えて指導内容は「私立難関校受験を当面の目標に、都立中高一貫校受検も視野に入れる」という少しあいまいな方針で依頼していました。
親側の経済的な都合などもあり、チリ太郎の受験校の中に都立中高一貫校は残し続けました。

結局、6年11月の模試(早稲アカの公立難関校模試)の結果を見て、私の中でようやく「都立中高一貫校は届かなそうだ」という踏ん切りがつきました。
それまでの間、チリ太郎の心の中にどんな思いがあったか。
少なくとも、「都立熱望」という様子ではなかった点が救いでしたが、逆に親の都合で志望校に入れ続けたことについて、もしチリ太郎が親の気持ちを察して調子を合わせてくれていたのだとすれば、少し涙が出てきます。

最終的にチリ太郎は実力で都立中高一貫校とそん色ない私立校に合格します。もともと視野に入れていた都立中高一貫校の偏差値(まあ、私立と同列には論じられませんが)と同等の私立併願校はある程度余裕をもって合格できました。
しかし、それなら最終的には都立中高一貫校受検でも合格できていたか?

私は今でも「それは難しかっただろう」と思っています。

調査書があるから?

いえ、そうではありません。

適正検査の内容とチリ太郎の特性が根本的に合っていなかったからです。

全般的に合っていないわけではなく、得意な分野もありました。
例えば適Ⅲのある学校などはそこを得点源にできていた可能性があります。

しかし、適Ⅰの作文は、決定的に合っていないと思いました。

私はこんなブログを書いているぐらいなので、ある程度作文のアドバイスなどはできます。
都立中高一貫校の適Ⅰで作文を書くとき、一番簡単な方法は「自分の体験に引き寄せて書く」方法です。
どんなお題が出たとしても、その型を使って書くのが一番簡単で、比較的無難に仕上がると思います。
さらに上を目指したい方は様々なバリエーションの文章を覚えていくとよいでしょう。

しかし、チリ太郎はその一番簡単で無難な方法に対して最もハードルが高かったのです。

これはもう国語力とかそういう話よりも、「その子の特性」の問題ですね。
そういうところが、都立中高一貫校受検に決定的に向いていないなと感じました。

最終的に、チリ太郎は苦手としていた国語の記述問題を6年12月頃に克服する兆しを見せ、その勢いで私立校に合格できました。
しかし、例えば栄東の東大特待Ⅰの国語では、「〇〇のことについて自らの体験をもとに…」みたいな記述問題が定番で出題されるのですが、やはりその問題は白紙になったようです。

つまり、作文における「自分語り」は最後まで克服できなかったのです。

相対的な話ですが、国立校も含めた国公立校は「オールラウンダー」の子が強いです。
少なくとも、アキレス腱となるような苦手事項を残していると、他の部分が優れていても合格に届かないケースが多いと思います。(あくまで試験形態から考えた場合です)

一方で私立は自分に有利な試験内容の学校を選ぶ余地がありますし、そのようにして選んだ学校は概して校風も合っている可能性が高いと思います。

問題は、親としての見切りどきですよね。

チリ太郎は最終的に都立中高一貫校を熱望していなかったので、適性検査用の勉強はほとんどしないで受験を終えました。

もし、チリ太郎の第1志望が都立中高一貫校だったら、適性検査の勉強は避けて通れませんでしたし、非常に効率の悪い作文の練習もずっと続けていかなければなりませんでした。
その延長上に、併願私立校の合格があったかどうか…。

子供の希望、親の希望、子供の能力と伸びしろ、子供の適性にあった試験内容

様々な要素を総合して決断できるのは親だけですが、その段になったら1つの要素に引っ張られすぎてはいけません。
冷静に、冷徹に判断ができなければなりません。

我が家は状況的にそんなに難しい判断を迫られたわけではなく、その点では運がよかったかもしれません。
お子さんの強い希望などがあったりして、それに引っ張られる形になるご家庭は、非常に難しい決断を迫られることになりますね。

都立中高一貫校受検は「読めない」なんて言われますが、

難しい子には最後まで難しく
簡単な子は軽々と超えていく

これは私立受験でも同じことだと思います。
要は、特定の学校にこだわるがゆえに特攻して跳ね返されて「読めない」となるのです。

一番大事なのは適性の見極めなのではないかと思っています。

適性検査だけに…

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