昨日ちょっと気になるニュースがありましたので、記事にしてみます。
駿台が大学合格者数を非公表へ 大手の合計が“定員”上回る現状「意味を成さない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0309d8a58f3278e529d4d9f385e59ed5ba13904
中学受験でも高校受験でもいえることで、受験を経験した皆が長らく感じていたことだと思いますが、駿台が一石を投じる行動に出ましたね。
合格実績なんてカウントが曖昧だとわかっていても、消費者は「合格実績」につられる形で集まってくるものです。塾側もそれがわかっているから、どうしても「合格実績」に拘ってしまいます。
大手である駿台がこの決断をしたことにより、大手他社(河合、代ゼミ)はどうするか? 仮にこれに追従せず方向性が分かれた場合、消費者の選択はどうなっていくのか?
今後はそんなところに注目ですね。
これから少子化時代を迎えるにあたり塾の経営というのは相当厳しくなります。
指導力は引き続き磨いていく必要がありますが、経営方針みたいなものは適時見直しを図る必要がありそうで、今回の駿台の決断もその一環なのかなという気がします。
まあ、世の中も塾が発表する「合格実績」について、例えば大手3社クラスの塾であれば、その多寡を気にする人は少ないのではないかという気がします。つまり、ある種「ネタ」的に見ているふしもあると思います。
ただ、例えそうであったとしても、そうした本質とは異なる「雑音」的な部分に、余計な力を割きたくないという意思表示ですよね。これは良い決断をしたなと思っています。
あとは、そのようにして無駄な部分をそぎ落として、どういう部分に力を入れるかですね。
そこに、その塾の新しい方針が表れるはずですが。
それにしても、良い塾ってどんな塾でしょうね。
いや、これからの塾ってどうあるべきかと問うた方がよいですかね。
これまでのビジネスモデルは受験生(=お客さん)が多くいることを前提に、まずは多くの生徒を集めなければならない、他塾に行かないようにしなければならない。それには目立つ広告を打って注目してもらう必要がある。というような感じだったと思います。
ただ、現代は口コミもかなり発達していますし、塾の使い分けも一般的になっています。また、教科や目標大学特化型の塾も出てきていますよね。
つまり、昔のように同業のライバルが少なくもないですし、消費者も効率のよい活用方法を心得てきています。そうした中で、塾産業は「納得して指導料を払ってもらえる塾」である必要がありますよね。
私、最近とある塾(大手予備校ではありませんが、大学受験界では有名な塾)の合格体験冊子を読んでいて思いました。
各塾にはやっぱり「特色」というものがあります。
合格体験記なので合格した人しか掲載されていませんけど、割と似たプロセス、動機でその塾を選び、その塾の良い点を実感しつつ合格をつかみ取っています。
正直、似たような感想が多いので、読み物としては途中で飽きてしまうのですが、逆に、多くの生徒がその塾の「特色」を認めて、「自分にとってはこれが良い」「これが合っている」というふうに納得して受験を終えているということなのですね。
このように、サービスをしっかり差別化できていて、満足感の高いサービスを提供できることが一番大事だと思います。商売の基本みたいな話ではありますが。
私もチリ太郎の大学受験でもし塾を活用するのであれば、チリ太郎の特性に合っていて、本人が「こういう塾がよい」と思えるところに通わせてやりたいです。
そして、過度な幻想を抱かず、最低限この部分だけは達成して欲しいというようにポイントを絞って評価するようにしたいです。
もちろん、目標大学に合格するに越したことはないのですが、勉強っていうのは大学に進んでも続きます。漠然とした目的で合格だけを望むのではなく、お金と時間をかけただけの「経験」を得てほしいなと思います。
そういう意味では、塾というのは「合格」をお金で買うようなサービスのように思えますが、他の習い事と同じように、「経験」をお金で買うものと考えた方がよい塾選びができるかもしれませんね。