スポンサーリンク

都立受検とインフル

ランキング応援をお願います

少し前にテレビを見ておりましたら、「今年はインフルエンザの感染者が少ない」というようなことを取り上げていました。
緊急事態宣言が解除されてしばらくした頃、「冬期にはコロナとインフルの同時流行も有り得るので、今から対策をしなければ」という意見が出ていましたが、現在は当時の予想に反して、深刻な状況にはなっていないようです。

そんなニュースに触れ、「そういえば、都立中高一貫校の受験って、インフルに罹ったらどうなるのだろう?」と気になり、少し調べてみました。

一番興味があったのは、中学受験のブログを見たりする中で、「別室受験」などという用語を目にすることがあるので、そうした制度が都立中受験にもあるのかです。

それで、試しにいくつかの都立校の募集要項を見てみたのですが、不思議なことに、受検生がインフルに感染した場合の対応などは、全く見当たりません。
私が参照した中では、唯一、小石川の募集要項にヒントがあり、ようやく、東京都のHPに記載があることがわかりました。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/secondary_school/entrance_exam/release20200611_06.html

ここの「令和3年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定に関する実施要綱・同細目」の第13に特別措置という項があり、以下のように記載されています。
(以下抜粋)
(2)事故や病気等により、通常の適性検査等の方法で受検することが困難な受検者で、適正検査等実施上の特別措置を希望する者は、小学校長を経由して、状況発生後直ちに特別措置申請書(様式15)により、志願する都立中学校長に申請する。
適性検査等の実施は通常の受検者と同一とする。ただし、通常の検査方法では受検が困難と認められる者については、検査問題等の程度を変えない範囲で、検査方法、検査時間及び検査会場について適切な措置を講ずる。
都立中学校長は、検査方法の特別措置を必要と認めた場合には、直ちに都立学校教育部高等学校教育課入学選抜担当に電話連絡する。
なお、小学校長が出席停止にすることができるインフルエンザ等の学校感染症に罹患した者は、受検することができない。ただし、小学校長が出席停止を解除している場合又は症状により学校医その他医師において感染のおそれがないと認められた場合は、受検を認める。その際、特別措置申請書(様式15)により別室による受検等を申請する場合は、医療機関からの証明書や小学校長がインフルエンザ等による出席停止を解除していることについて証明する書類を添付すること。
(3)特例措置申請後、志願を取りやめる場合は、申請書は速やかに小学校長を経由して、申請先の都立中学校長に志願の取りやめの連絡をする。
(ここまで)

ちなみに、この要綱の第13特別措置の(1)には、障がいを持つ受検者が特例措置を申請する場合について書かれています。
そして、(2)以降は突発的な事象に際しての特例措置を申請する場合が書かれているわけですね。

この項を読みますと、突発的な事象で特別措置の申請をする場合も、小学校長から受験校の校長にすることになっているので、全くスピード感はないですね。想定される事例としては、「足を骨折したので松葉づえを持ち込んでよいか?」とか、「両足を骨折したので車椅子で受検してよいか?」というような案件でしょうか。

問題の感染症についてですが、(2)の後段に
「小学校長が出席停止にすることができるインフルエンザ等の学校感染症に罹患した者は、受検することができない。」と言い切っています。しかし、その後にただし書きがあり、具体的な手続きをイメージし辛い一部例外の手続きが記載されています。
この書きぶりから伺えるのは、2/3に適性検査があるとして、前日にインフルが判明した場合は受検できないのだろうということ。
一方、受検数日前にインフルが判明し、受検2日前に解熱したようなケースでは、病院の治癒証明や小学校長の証明を添えて申請すれば受検ができるのでしょうね。
でも、治癒しているのであれば、そんな面倒なことを敢えてしますかね?
だいたい、全てが小学校経由での手続きとなり、要綱通りの手順で申請している受検生が何人いるのかなと疑問に思います。

いずれにしても、2年くらい受験勉強を頑張ってきて、インフルで受検を断念というのは非常に悔いが残ります。
体調管理は自己責任とはいえ、受検だけはできる方向で制度設計はできないのかなと思います。
と言いますのは、インフル対応がこうしてしっかりと要綱に記載されている一方で、

「インフルに罹ったけど、黙って受験(受検)してしまおう」

というような情報も散見され、また、実際にそうしたとしても、受検校にはバレない場合があるからです。

こうした事実上のルール破りを発見、排除できないのであれば、「インフルエンザ等の学校感染症に罹患した者は、受検することができない」なんて規定する必要がない気がするのですがね。

まあしかし、一通り調べてみて腑に落ちました。
おそらく、直前にインフルに罹った場合は、受検を断念するか、良心を押し殺して受検するかという究極の選択を迫られることになるのですから、予防接種、うがい、手洗い、R-1、とれる対策は全てやるということですね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする