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創設年や教育理念を比較(男子校)

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前回書いた自分の記事で少々気になってしまったため、有名私立の創設年と教育理念を調べてみました。
(とりあえず男子御三家と新御三家のみを対象としました)

〇開成中学校・高等学校
創立:
1871年(明治4年) 共立学校創設。後に開成と改める(1895年)
創立から151年
教育理念等:
「開物成務」→「人間性を開拓、啓発し、人としての務めを成す」
「ペンは剣よりも強し」→「どんな力にも屈することのない学問・言論の優位を信じる」
「質実剛健」
「自由」

〇麻布中学校 麻布高等学校
創立:
1895年(明治28年)
創立から126年
教育理念等:
自由闊達・自主自立の校風のもと、真理を探究する心、物事の本質を見極める力、人類と社会に貢献する志という三つの資質の育成を目的とする

〇武蔵高等学校中学校
創立:
1921年(大正10年)
創立から101年
教育理念等:
建学の理念『三理想』
・東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
・世界に雄飛するにたえる人物
・自ら調べ自ら考える力ある人物

〇海城中学高等学校
創立:
1891年(明治24年)海軍予備校を創立。後に海城学校と改称(1900年)
創立から131年
教育理念等:
建学の精神→国家・社会に有為な人材の育成

〇巣鴨中学校・巣鴨高等学校
創立:
1910年(明治43年) 私塾「巣園学舎」創立。
創立から112年
教育理念等:
「努力主義」、「硬教育」
※巣鴨のみ学校HPなどで「コレ」という記載が見当たらなかったため、他の情報からキーワードを拾ってきています。

〇駒場東邦中学校・高等学校
創立:
1957年(昭和32年)創立。
創立から65年
教育理念等:
建学の精神→「資源のない日本では、頭脳を資源として、社会に有為な人材を育成する」
教育目標→「生徒・教員・保護者の三者相互の理解と信頼によって明るく楽しい学園をつくり、生徒各自の個性を伸ばし、能力を高め、豊かな知性と科学的教養を身につけた、健康で実践力に富む有為な人材を育成する」

こうして並べてみますと、駒東の歴史が浅いことは皆さまご存じかなと思うものの、武蔵が次に新しいのですね。(それでも100年超えていますけど)
全く古臭いイメージの無い海城が創立年では2番目に古かったりと、意外なところがあったりします。
一方、教育理念や建学の精神という面では、比較的その学校の印象と一致していると思います。(どの学校もカッコイイ!)
意外だったのは、「伝統推し」なイメージのある巣鴨は、校長挨拶以外の部分にそれらしき記載がないことです。(沿革などの掲載もありませんが、あまり多くを語らない方針でしょうか…。)

私はこれらの学校の中で、開成と武蔵、駒東の学校説明会・見学会に参加したことがあるのですが(オンラインも含めれば海城も参加しました)、どの学校も「建学の精神」的なものは比較的サラッと紹介し、「近年の教育内容」を重点的に説明します。まあ、当たり前ですけどね。

それでも、それぞれの学校の教育理念や建学の精神が比較的その学校の印象と一致するのは、やはりそれぞれの学校が、時流に合った教育を模索しつつも、そうした理念・精神を大事にしているからなのでしょうね。
どの学校の理念も非常に素晴らしいのですが、一番重要な点はその理念が実際の教育現場に反映されているかです。
ただ、こればかりは入学してみないとわからないことが多いです。

参考になるかわかりませんが、私が一番気に入っている教育理念を(駒東を例に)書き残しておこうかなと思います。
(完全なる提灯記事…)

まず、建学の精神
「資源のない日本では、頭脳を資源として、社会に有為な人材を育成する」

ですが、
「社会に有為な人材を育成」という最終目的に対して、「頭脳を資源として」と具体的な方針を入れているところが素晴らしいです。
人材育成という目的は広い意味を持ちますが、「優秀な頭脳」を育成して「知的労働」分野で貢献しようという指向性が見えてきますし、私はその方針が好きです。
また、私ごときが考えることでもないのですが、「日本という国はこうであったらよいな」と思う方向性と完全に一致しています。

教育目標「生徒・教員・保護者の三者相互の理解と信頼によって明るく楽しい学園をつくり、生徒各自の個性を伸ばし、能力を高め、豊かな知性と科学的教養を身につけた、健康で実践力に富む有為な人材を育成する」
のうち、

「三者相互の理解」、「科学的教養」というキーワードが好きです。

駒東はややもすると「ママ東」などと揶揄されることがあります。
しかし、大学生ならいざ知らず、中~高校という非常に難しい時期の教育であれば、「生徒・教員・保護者」の連携は強いに越したことはないですし、変に自立を目指すよりも現実的だと思います。
これを教育目標の冒頭に持ってきているあたり、私は「実に頭が良いなぁ」と思うのです。

また、後半の「科学的教養」という部分も、敢えて「科学的」とつけているところに意図を感じ、共感が持てます。
チリ太郎には「心優しい子」に育ってはもらいたいのですが、こと思考面では「合理的かつ科学的な裏付けのある思考ができる子」に育ってもらいたいので、私的にはこの僅か3文字が足されることで評価の度合が全然違います。

ということで…、

学校説明資料でも「教育理念」などの記載はサラッと読み飛ばしてしまうことが多いと思います。
しかし、説明会などに参加した後に再度文章を吟味してみたりすると、その学校の新たな魅力が見えてきたりしますので、これから志望校を検討される受験生の保護者様におかれては、

「青ティがこんなこと言ってたから、少し考えながら読んでみるか」

と思ってもらえたら幸いです。

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