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塾の先生ってすごいなと思った話 その2

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チリ太郎は過去、全国統一小学生テストを2回受験しています。
小学4年の6月に受験した際の様子は前回の記事に書きましたが、今回は11月に受験した時の様子を書いてみたいと思います。

チリ太郎4年生(2019年)の11月、再度全統小テストを受験しました。
受験前にチリ太郎に、「会場どうする? 前回と同じ塾にしておく? それとも違う雰囲気を体験するために別の会場にしてみる?」と聞いたのですが、「どちらでもいい」ということでした。
チリ太郎にとっても、そして親にとっても、何事も経験だと思い、1駅先の早稲田アカデミーを受験会場に選びました。

この頃の私は、さすがに中学受験についての知識をそれなりに得ており、大手の進学塾や各塾の大まかな特色くらいは知っておりました。
この時は、経験のため「大手進学塾」を選んでみようと思ったのですが、その中で早稲田アカデミーを選んだ理由は単に地理的な問題だけでした。

11月のテストのときは、事前授業もテスト当日も私は仕事の関係でチリ太郎に同行できなかったため、妻にまかせることにしました。
カウンセリングの日だけは私の都合の良い日に設定し、大手の塾の先生とお話できる機会を楽しみに待ちました。

この時のチリ太郎のテストの結果ですが、6月によい成績でしたので、大いに期待していたところ、大きく成績を落とすこととなりました。原因は得意の算数で大きくコケてしまったことによるのですが、チリ太郎はテスト直後にそうしたことをある程度悟っていたのか、テストの出来については「ちょっとできないところがあったんだよな」と不安を口にしておりました。

全統小テストの結果について、6月に受講した塾では、採点結果の速報を電話で教えてくれました。しかし、早稲田アカデミーではそういう対応はありませんでした。この点、おそらく早稲田アカデミーの内部生と外部受験者で対応が異なるところだと思います。

11月テストの結果返却とカウンセリングの日、私の脳内では、あらゆる方向からの入塾勧誘をかわすシミュレーションしておりました。
「(6月に受験した塾は小規模な進学塾だったので、おそらく商売っ気があまりなかったのだろう。大手進学塾ともなれば、抜け目のなさ、押しの強さも尋常でないはずだ。)」←こんなことばっか考えている小心者です。

カウンセリングを担当してくれた先生は、物腰の柔らかなベテランの方でした。
6月受験の塾の先生は、おっしゃることこそ非常に納得できましたが、外見や話し方などはお世辞にもよい印象とは言えませんでした。その点だけの比較ですと、早稲アカの先生は、身だしなみ、話し方等、さすが大手と思わせるものがありました。

11月受験では、6月受験時と比べて大きく成績を落としたのですが、私たちはその結果をカウンセリング当日に知ったわけです。早稲アカの先生は、開口一番にこうおっしゃいました。

「今日はお子さんもご一緒に来ていただき、ありがとうございます。チリ太郎君の成績ですが、ご本人がいらっしゃってちょうどよかったと思ったのです。ご本人にいくつか聞いてみたいことがありまして。」

そう前置きし、結果の説明をされました。

「私、採点をしておりましてね、チリ太郎君の算数の答案にはちょっと興味を持ったのですよ。ほら、ここの大問が全部不正解になってますよね。あと、全体の正答率が低い問題に回答できているのに、他の簡単な問題を落としているでしょ。こういうのは珍しいなと思いまして。」
「それで、こんなふうに思ったのです。この前半の問題で、かなり時間を使ってしまい、後半の問題を慌てて解いたんじゃないかなって。どう、チリ太郎君。」

チリ太郎は先生の話をじっくり聞くより、目の前の回答を見ておりましたが、妻に返事を促されて答えました。
「この問題(大問全滅した問題)の答え、これで良かったんだ。なんか違うかなって思ってやり直したんだけど。」

早稲アカの先生は穏やかな調子で続けます。
「この問題、決して難しい問題じゃないんですけど、最初の答えを間違えると後の答えもずれちゃうんですよね。やっぱりここで大きく時間をロスしまったんだね。」

「お父様、お母様、こういう点を見ますと、今回は結果につながりませんでしたが、お子様は十分な実力をお持ちなのだと思います。進学などは決めてらっしゃらないとのことですが、ご家庭での学習でも十分やっていけると思いますよ。」

私はそんなやりとりを見て、「うーん、やっぱり大手の先生はさすがだなぁ」と感心しました。そう思ったのは以下の点です。

・「チリ太郎君の答案に注目していた」という発言は、親にとって「多くの生徒の中で、我が子の答案に注目してくれた。」と受け止められ、好印象につながる。
・答案に対する洞察力、分析力。
・「お子様は十分な実力をお持ち」と、しっかり持ち上げる。
・直接的に入塾を進めたりしないが、講師のできるアピールとお子さんを理解していますアピールをしっかりする点。

少し穿ちすぎでしょうか…。
でも、いやらしい印象は全くなく、むしろ、親が率先して入塾してしまいそうなスマートさに大いに感心してしまった次第です。

帰り道、親はすっかり大手進学塾の先生に心酔してしまい、「やっぱり経験豊富な塾の先生は違うねー。チリ太郎、早稲アカに通ってみる?」などと話しておりました。
当のチリ太郎は、大手塾の雰囲気に気後れしたのか、はたまた、通塾するつもりなどサラサラないからなのか、「まあ、家で勉強すれば、おとさんもいるし。」と言うばかりでした。

こんな経験から、私の大手進学塾に対するイメージはかなり良いものとなっています。
もちろん、規模が大きいゆえに、様々な講師の先生がいらっしゃるでしょうから、あの先生のような優秀な方ばかりとは限りません。また、入ってみれば細かいところでサービスに不満を持つこともあるかもしれません。
しかし、これだけ業界が広がりを見せ、多くの塾が乱立する今日、積極的に勧誘するとかそんなことで塾生が獲得できるわけもなく、やはりそこには選ばれるだけの実力があり、その結果としての大手なんだろうと思うのです。

過去の全国統一小学生テストでは、異なる特性のある進学塾を試験会場に選んできました。その結果、それぞれの塾で「塾の先生ってさすがだな」と思う気づきがありました。
私にとって、進学塾はあまり接点の多い場所ではありませんので、こういう機会を活用し、いざというときのための情報収集をしておくことは大事かなと思っています。

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