連休期間中のニュースで、広陵高校の甲子園(途中)辞退問題、校内暴力問題が多く取り上げられていました。
個々の事件とか学校の対応については、詳しい状況が明らかにならないとなんとも言えないところですので、そのこと自体の是非には触れません。ただ、私自身は広陵高校の1回戦勝利(vs旭川志峯高校)の時点で、途中辞退に追い込まれるのではないかと感じていました。
新たな告発が出てきてしまったことと、SNS等の影響、野球ファン全体の雰囲気みたいなものから、多くの方がこのままでは学校にも選手にも、ファンにとっても良いことにならないと感じていたのではないでしょうか?
私はプロ野球の話は度々このブログでも触れる程のファンでありますが、高校野球についてはそこまで熱心に見ておりません。
以前はどちらかというと「嫌い」とまで言っていた気がしますが、私自身も歳を取り、社会の様々なものを受け入れられるようになってきたのかなと思います。まあ、自分が思う部活動のイメージと高校野球とのギャップが大きくて、若い頃はそこを毛嫌いしていたのかなと思います。
今回の広陵高校の途中辞退問題を見て、高校野球というのは部活動というよりビジネスだよなと改めて思います。特に、名門校、常連校と言われるような学校がやっていることは、もう完全なビジネスです。
国公立大や医学部の進学実績を競うのも学校経営から見ればビジネス的側面があります。ただ、学業については、ピンポイントのスカウティングはしませんし(特待制度などはありますが)、各大学への進路や進学した後の生活に干渉することはありませんからね。
その点、甲子園常連校がやっている高校野球は、プロ野球という歴史あるスポーツ興行を頂点として、シニアリーグやボーイズリーグ(小中校)から高校野球、大学や社会人野球へと人材を育成、供給するシステムの一部を担う、正に野球業界のビジネスの一部と言えます。
それで、若い頃の私ならば、「学生が本業そっちのけで野球漬けの生活なんてけしからん」などという記事を書いていたかもしれませんが、今思うのは、
もはやビジネスなのだから、広陵高校は中途半端なポーズを取らずに徹底的に改革をしたらよいのでは?
ということですね。
ニュースを見ていまして、広陵高校は120名超の部員を抱えて寮生活をさせる方法を取っているそうです。
もちろん、大勢の部員を抱えようと、相応の監督者を置けば適切に管理できますけどね。
でも、最近は「私の目の届く範囲の人数しか部員は取りません」という少数精鋭方針の監督も増えてきています。
このあたりはチームづくりの方針によりますが、いずれにしても、「教育」だとして行うなら下級生を上級生に管理させる(つまり学生が学生を管理する)のもアリな気がしますが、「ビジネス」ならばしっかりと大人が全体を管理すべきかなと思います。
加えて、部活単位の寮生活というのもリスクがありますね。
寮生活はチームワークを育む面や練習時間の確保には有効ですし、本来は生活の管理の面でも有効な方法です。しかし、今回の件もそうなのですが、いざ問題が起きてしまった場合に、「寮生活をしていて他の部員が知らなかったはずはない」というように責任の範囲が広がってしまう(疑いの範囲が広がってしまい、結果的に連帯責任という結論に至ってしまう)危険性がありますよね。
今回の件で、広陵高校は今までの甲子園出場で得てきた名声に自ら傷をつけてしまいました。学校経営的な観点では結構なダメージだと思いますので、もしかしたらイメージを回復するのに数年かかってしまうかもしれません。
でも、変に取り繕うのだけは止めた方がよいかなと思います。
調査結果によっては誰かが責任を取るような形になるかもしれません。ただ、それ自体は問題の解決ではなくて、一連の騒動のけじめというか、事態を鎮静化させるためにするセレモニーに過ぎません。
少なくとも、組織上の欠陥がどこかにあったからトラブルをうまく解決できずにこのような騒動になってしまったと思います。そこを修正・改善することが重要です。そこはけじめとは別の形できちんと実施して欲しいですね。
もちろん、1つの部活のためにそうした真面目な改革なんてするつもりは無いという判断もあるかもしれません。その場合は、甲子園ビジネスなどからは完全に手を引くというのも一案なのではないかと思います。