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ピンとこない9月入学

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新型コロナウィルス感染拡大に伴う休校措置が続く中、降ってわいたように「9月入学案」がニュースを賑わしています。
事の発端は都立高生がツイッターに投稿した「新学期の開始を、この機会に諸外国と同じ9月に」というメッセージだったらしいのですが、このツイートは大きな反響を呼び、離れた地域の学生も巻き込んで署名活動に発展しました。

彼らの主張は主に、

・全国一律で8月末まで休校にすることで9月から平等な教育を受けられる可能性が高い
・入試等もそれに準ずることで混乱を抑えることができる
・海外の学校と足並みを揃えることによる留学の推進
・かけがえのない青春を取り返すことができる

ということらしいのですが…。

私はこのニュースを目にしたとき、「現役の高校生、おそらく受験前の3年生の意見だから、重く受け止める必要はありそうだな」とは思いました。しかし一方で、「これを機に、制度を大きく動かそうというのは、タイミング的にどうかな…」とも思いました。
端的に言えば、「言いたいことはよくわかるが、制度改革した後のメリットがあまり感じられない。」というところでしょうか。

しかし、このニュースは私の想像に反して、結構な広がりを見せます。
様々な有識者、テレビのコメンテーターがコメントを出すくらいはわかりますが、全国の知事がわりとまともに「検討が必要」というようなコメントを出し始めたのです。

こうなると、もちろん文科大臣や首相もコメントを出さざるを得ませんよね。
ただ、少し割り引いて考えなければならないのは、政治家や官僚などの公的立場にある方々は、様々な立場の人がいることを前提に、大抵の問題には「検討の必要がある」と答えざるを得ない立場にある人たちである点です。彼らが本心から検討が必要と思っているかは全くの別問題と言えるでしょう。

かく言う私ですが、こんな記事を書き始めておいて言うのもなんですが、とにかくピンときません。
私が通っていた大学には9月入学の人も結構いて、帰国子女の方や留学生などがその枠を大いに活用していました。しかし、国内から進学する学生にはあまり関係無い制度だったんですよね。

9月入学への変更を推奨している方々に聞いてみたいのは、具体的にどういう完成形をイメージしているのかなということです。
義務教育も含めて9月入学に揃えるイメージなのでしょうか? そこまで大鉈を振るっても、恩恵を受けるのはごく一部の方のような気がするんですよね。
制度を変更するにはかなりの労力を費やしますが、日本の発展につながるような大きなインパクトがある政策になるのでしょうか?

専門家の方には鼻で笑われるかもしれませんが、私は以下のように思います。

・人々がグローバルに動く時代なので、学校の期間もグローバルスタンダードにという考え方は理にかなっていますが、日本の教育システムに連動し、社会のシステムまで変えて対応すべきことではないのでは?
・海外留学や留学生の受け入れは、高校や大学においては非常に重要な事項と考えてよいが、義務教育は人が活発に流動する印象がなく、むしろドメスティックな制度でも全く問題ない。
・海外の学校が9月入学を標準としているなら、日本はそれより5ヶ月早く義務教育をスタートさせているのであり、アドバンテージがある立場だから、それを放棄する必要はない。

以上から導き出される私の案は以下のようになります。
・義務教育は4月入学堅持
・コロナ休校の穴埋めは夏休みの短縮と各学年のカリキュラム見直し、平日の事業時間の延長等で対応(ここは頑張る)
・中学卒業から高校入学までの間に、5ヶ月の長期休暇をとり、この期間に高校入試を実施する。(休み期間が長いので、高校側はゆとりをもって選考できる)
・中高一貫校の場合は、この期間を長期休暇とし、一部を特別活動に利用する。
・高校・大学から9月入学のサイクルを標準とする。
・新卒者の入社年度が変わるので、受け入れる側の社会のシステムを3年程度を目途に順次変えていく。

 いやー、いつもながら中身が薄いですね。(笑)

しかし、日本が諸外国より5ヶ月義務教育を早くスタートしているならば、そこは動かさずに、その5ヶ月のアドバンテージを、15、6歳の頃の多感な時期に有効活用する案というのも、なくはないと思うんですけどね。

ちなみに、現役小学生のチリ太郎君の意見は…

「うーん、9月入学って、いろいろ調子狂っちゃいそうだなぁ」

「じゃあ、夏休みを削ったりして、4月−3月体制を守った方がいい?」

「そうだねぇ。9月入学にすると、6年生を少し長く勉強することになるからねぇ。」

当然のことながら、目先のことが一番気になるようでした。

そう、誰だって目先のことが気になります。それを発信するのは自由。
都立高生が自分の意見を発信するのも自由で、若者はそれでよいです。

若者の将来や国全体のことを考えて政策を決めるのは大人の仕事ですね。

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