チリ太郎は学童保育が大好きでした。
普通の子は、小学校3年生を過ぎる頃に自然に卒業していくのですが、周りの同級生がいなくなる中、チリ太郎は高学年になってもずっと学童に通い続けました。
5年12月の更新手続き時、放っておいたら「6年生まで通う」と言い出しそうでしたので、私の方から、
「さすがに受験もあるし、チリ太郎も1人でできることが増えたから、学童は継続しなくていいんじゃない?」
と提案しました。
チリ太郎もその時は同意したのですが、5年の3月頃になって、
「そんなこと言ったっけ?」
と名残惜しそうにしておりました。
学童にいる時間はほぼ「遊び時間」になり、帰宅してから家庭学習に割ける時間が少なくなります。
学校から自宅に直帰してくれれば使える時間を増やすことができ、受験勉強に使える時間も増やすことができます。(自主的に勉強してくれれば)
チリ太郎が卒業する3月末。
たまたまですが、長くチリ太郎を見守ってくださった学童保育所の所長さんが人事異動で保育所を去ることになりました。
所長さんの最終出勤日に花束を渡すセレモニーを行うことになったのですが、その役割を誰がやるか、子供たちにきいたのだそうです。
そうしたらチリ太郎、スッと手を挙げたらしいのです。
先生方はみなビックリするやら感動するやらで、
「あのチリ太郎君がこんなに立派に成長して…」
とセレモニーのときには所長さんも先生方も、涙を流されていたそうです。
これも成長ですね。
そして、そうしたものの大部分は、学童保育所の皆さんのおかげです。
チリ太郎自身がそういう「感謝の気持ち」を持てるようになると、もう1段階成長すると思うのですが、私自身の経験に照らし合わせて、小学校6年時に周囲に対する感謝の気持ちを持てていたかというと、正直、そういう気持ちはもう少し後になるのかもしれませんね。