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積み重ねたものの力

ランキング応援をお願います

先週の土日ですが、夕食が終わった頃に何気なくテレビをつけ、しばらく全日本フィギュアを観戦していました。
我が家は妻がフィギュアスケート好きで、特に昔の選手(ウルマノフやキャンデロロとか、昔の話ばかりされます)が好きなオールドファンなのですが、私もそれにつられ、テレビ観戦はよくします。
まあ、グランプリシリーズや世界選手権などの国際大会に比べれば、全日本フィギュア選手権はやや注目度が劣ります。まして、オリンピック代表選考が絡む年でも無いのでね。
でも、フジテレビはゴールデン帯で放送していましたね。

私が注目したのは鍵山優真選手。
この選手はスケーティングが非常に滑らかで、一言で言えば美しいスケーティングをする選手という印象を持っています。
もちろん、宇野昌磨選手が引退した現在、男子シングルでは最上位の実力者なので、素人の私などが褒めることでもないことです。

それで、中継を見ていて、鍵山選手の紹介VTRを何気なく見ていて、「そうだったんだ」と気づかされたことがあります。
世界大会で上位に来る日本人選手って、かなり小さい頃から有望な選手であった(つまり、早くから才能を見出された選手であった)ことが多いと思うのですが、鍵山選手はノービス時代の全国大会では表彰台には上がれないことが多かったそうなのです。

鍵山選手はコーチであるお父様(正和さん)もオリンピック2大会出場のオリンピアンですので、DNA的、環境的背景から、小さい頃からトップ選手であったのだろうと思い込んでいました。でも、そうではなかったみたいですね。

少なくとも、競技を始めた頃は、サラブレッドではあるがエリートとまでは言えない競技人生を歩んでいたのだと思います。

私が想像するに、スポーツの個人競技を小さい頃からやっていて、「結果がついてこない」というのはなかなか辛い状況です。
フィギュアはお金もかかりますし、怪我も含めて競技を続けるのは楽ではありません。(まして、鍵山選手は二世として注目も浴びていたと思います)せめて同世代の中でトップを走っていれば競技を続けるモチベーションは維持できると思いますが、そこで結果が出ていないと、努力を続けていくのは簡単ではなかったろうなと思います。

私が美しいと感じた鍵山選手の滑りって、小さい頃からコツコツと積み上げてきた技術だったってことなのですよ。
もちろん、才能は間違いなくあったはずです。
しかし、それが表に出るまでに相当時間がかかった。
結果が出るまで信じて磨き続けてきたからこそ、基礎となるスケーティングが極限まで磨かれたのでしょうね。
これは本当にすごいことで、そういうことを知ってみるとこの選手を応援しないわけにはいかないなという気になります。

諦めずにコツコツ積み上げる。
結果が出なくても腐らず続ける。

勉強にも応用できる話ですよね。

チリ太郎にも、そういうことを学んで欲しいなとは思います。
(チリ太郎はチリ太郎で、学校の授業を真面目に聞いているようなので、私自身はそれで良しとはしていますが…)

また、親というのはそうした子の努力を認めて見守るべきなのでしょうね。
結果が出なければ親の方も辛いです。でも、そこでジタバタすると、子供の将来の可能性を奪ってしまう可能性があります。
鍵山選手のお父様は、指導を続けつつ見守る姿勢を貫けたのでしょうね。そこは親としての勝利とも言えるでしょう。

鍵山選手が演技を終えたキスアンドクライで、優勝を決めた瞬間、お父様は涙を流されていました。
鍵山選手は北京の銀メダリストですので、格からすれば全日本優勝は「当然」レベルの選手なのですけどね。親にしかわからない感情があったのだと推察しました。

それは、結果が出なくてもコツコツと練習を積み上げてきた我が子が、全日本チャンピオンという形で皆に認められたことへの感慨でしょうかね。

鍵山選手には是非ともミラノで大輪の花を咲かせてもらいたいなと思います。

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