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とりとめのない議論

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今回の記事はご批判を受けるかもしれませんので、予めお断りしますが、特定個人を批判するものではありません。

職場でふと目にしたネット記事。

「大学受験が不公平に」高3生の悲痛な声 休校で広がる学校格差、9月入学希望も「何か対策を」-京都新聞-
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200520-00349874-kyt-l26

9月入学の問題については、過去に記事(ピンとこない9月入学)を書きました。
当時、直感的に書いた記事なので、勘違いしている部分もあるかもしれませんが、今も考えに大きな変化はありません。

正直、9月入学のことをまだ引っ張てるんだなと思いつつ、高3生の意見に少し違和感を覚えました。

大学ってそういうところなんですかね?

少し前にあった入学試験における不公平・不公正な取扱いなどは許されませんが、そういうものを除けば、受験者は合格への距離という面で、それぞれ有利不利ある立場から受験するものです。
そもそも大学というのは、そこで学びたい人が集ってくるところであり、人生のどのタイミングでもチャレンジすることができます。現役という立場や、今の自分の立場に拘ると、こういう意見が出てくるのでしょうね。

高校生ともなれば、ある程度大人です。
逆にこういうふうに考えられないでしょうか?

「今の立場が公平感を欠くから、入試や社会の制度を変えるべきだと訴える生徒を、大学は欲しいと思うでしょうか?」

この観点でいけば、カラーに関係なく、どの大学も、「多少のハンデをものともせず、勉学に励める人材」が欲しいはずです。
こうして自分の不利な立場を主張する生徒は、同じ主張を志望大学の前で直接訴えることができるでしょうか?

「私はこの大学に入りたいけど、コロナのせいで不利な立場を強いられている。今、世の中に何らかの救済策をと訴えているところだ。」と?

恥ずかしくて言えないと思います。

ライバルと自分の立ち位置を比較して焦る気持ちはよくわかります。しかし、それ以上に、「選ばれるに足る自分であること。」を意識する必要があると思いますし、世の中も、そういうことを教えるべきです。
その姿勢こそ、大学後卒業後の就職活動にも生きる財産になるはずです。

また、私はこうした生徒の声を伝えるメディアの姿勢にも疑問を持ちます。

コロナ関連の休校で格差が出るということは、世の中のほとんどの人が認識している中で、改めてこのような記事を書いて、何を訴えたいのでしょうかね。
市井の声を伝えているだけと言われればそれまでですが、取材対象にするのはメディアですから、敢えて取り上げたことに意図があると思います。何を意図しているのでしょう?

記事では“受験の不公平が生じさせないためにはどうすればいいか。”という問題提起で始め、“女子生徒は「もともと学校間格差があるのに、休校でさらに拡大されてしまう。9月入学が難しいのなら、せめて公的政策で何らかの対策をとってほしい」と強く訴える。”と締めています。

しかし、報じるメディアも知っているはずです。
この問題は、どのような対策を講じても、「埋まらない差」がありますし、新たな策によって影響を受ける人が生じます。つまり、「とりとめのない議論」なんです。

「なんらかの対策を講じれば、またそれによって影響が出る人の声を報じる。話題が尽きなくていいですね。」と穿った見方をしてしまいます。

結論の見えない問題をダラダラと報じるメディアの姿勢を、とても無責任だと感じました。

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