梅雨入りして、ジメジメした気持ちの悪い日が続きます。
加えて、マスク着用による蒸し暑さ、3月から続いた自粛生活による目に見えない疲れ等、身体的、精神的にバランスを大きく崩す要素が多いので、気を付けなければなりませんね。
この時機の受験生は、気持ちの悪い気候と思うように出ない結果、そして焦って前のめりになる親と闘わなければなりません。本当につらい時期、我慢の時期だと思いますね。
かく言う私も、チリ太郎は受験生というわけではありませんが、学校がフル登校になった今週、以前のような家庭学習の時間が取れていないことが気になって仕方がありません。余計な口出しをしてしまいそうになるのを堪える日々です。
親は焦ったりせず、ドッシリと構えて子供を見守りたい。以前から思っていることですが、ことあるごとに自分に言い聞かせないと、知らず知らずのうちに余計な干渉をしてしまいそうです。
しかし、なぜ親って前のめりになってしまうのでしょうね?
子供と大人の能力を比較したとき、例えば、知能とか腕力は子供でも成長によっては大人を凌ぐケースがあります。
しかし、どんな子供でも決定的に大人にかなわない能力があります。それは、「先を見通す力」です。「人生経験」とも言えますが、やはり大人は長く生きている分、自らの経験に基づいて、子供の将来に起こることを予測することができます。その点、子供はどんなに頭の良い子でも、人生においては近視眼的にならざるを得ません。人生経験がありませんから、経験に基づいて予測するということができないんですね。
このことは、ほとんどの親がはっきりと自覚しないまでも、子供と接していて感じているはずです。だから、多くの親は子供に対して、「将来のことが予測できていない。私が導いてやらなければ。」と思うわけです。
この思いが、受験において親を前のめりにさせる原因だと思います。
しかし、その動機自体は悪いというより、親として必要な能力です。
問題は、焦って前のめりになって、子供に不必要な干渉をしたり、そういう気配を子供に悟られたりすることだと思います。
それで、どのようにしたら親は前のめりになる気持ちを制御することができるか、少し考えてみました。
黒子に徹するとか、声掛けに気を付けるとか、内面として意識すべきことはたくさんありそうです。
しかし、具体的に1つだけ、行動として実践するならば、
「子供がやったこと、できたことを褒める。」
徹頭徹尾、このことだけで良いのではないかと思います。
中学受験に挑むご家庭の事情はそれぞれだと思うのですが、中学受験は、高校や大学受験と違って、人生において必須のものではありません。ということは、中学受験をしようとしているお子さんは、中学受験をしないお子さんと比べれば、「上乗せの勉強」をしているわけですね。それをしているだけでも実に立派なことですから、やったこと、できたことを褒めるだけで良いのではないでしょうか?
もちろん、「頑張っているだけに合格という結果で報われてほしい。そのためには、人より少しでも多く、少しでも効率的に。」という気持ちが湧いてくると思います。
でも、いくら親に「先を見通す力」があるとはいえ、中学受験のさらに先にある子供の幸せまでは見通すことはできないはずです。つまり、どこかの時点で「予測」から「決めつけ」にすり替わっているのですね。
ですので、私は、親は「未来の心配は程々にして、今子供が取り組んでいることを見届け、褒めてあげる」ことが重要かなと思います。
自戒の念も込めて記事にしてみました。