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入塾の早い遅い

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昨日に続いて塾の話です。

全統小テスト後の学習カウンセリングで早稲アカの先生に言われた、「都立中高一貫校一本でいくなら、6年生からの入塾でも遅くない。でも、私立まで視野に入れるなら、入塾は早い方が良い」という言葉が少し引っ掛かっています。

私としては、この言葉をセールストークとは受け取っておりません。むしろ、彼らのプロとしての自負、自信の現れなのだろうなと思うわけです。

現状、中学受験に臨む子供たちのかなりの割合を、大手進学塾がシェアして凌ぎを削っています。そんな彼らからすれば、「どこの塾に行くかは、お子さんや親御さんの選択」であったとしても、「塾無しでよい」などとは決して言わないはずです。
費用対効果とか難しいことを考えず、「塾ありと塾無しでは、どちらが合格に近付くか?」と問われれば、塾関係者ならずとも、多くの方が「塾あり」だと答えるでしょう。

私が引っ掛かっているのは、「入塾は早い方がよい」という部分です。

果たして、私は今までに、「中学受験において、通塾期間が長い子供の方が短い子供より有利」というデータを見たことがありません。
しかし、先述の「塾ありの方が有利」という見解に立てば、その考えの先には、「通塾期間が長い方が有利」という結論になるのでしょうね。

多くの受験生の親御さんが、「塾に早めに入って環境に慣れておいた方がよい」とお考えであり、世間的な常識と言ってもよいかもしれません。
確かに、早めの入塾は、「塾側にも子供の個性を把握してもらえる」、「親も子供も長期的に学習アドバイスが受けられる」、「本格的に受験勉強を始めようと思ったときに、環境面でバタバタすることがない」等、多くのメリットがあると思います。
そうした面を重視するならば入塾をためらう必要はありません。

ただ、私はこう思うのです。
「早期入塾のメリットは理解できるけど、入塾するプロセスも重要なのでは?」
「入塾が遅れても、モチベーション高めで入塾する方がよいのでは?」

おそらく、早期入塾するようなご家庭は、お子さんが自分で入塾を決めたというよりは、親御さんが決めたというご家庭の方が多いと思います。
その意図するところは、親が先々のことを考えて環境を用意し、その環境の中で子供が徐々に受験への決意を固めたり、モチベーションを高めていってくれればというものだと思います。

一方、遅れて入塾するお子さんというのは、受験決意の後に、塾のサポートの要否、サポートしてもらう内容等をお子さん自身が判断するため、結果として入塾が遅れているケースが多いと思います。

前者と後者は、極端に言い換えれば、子供が「やりながら気づく」か「自分で必要と判断して選択する」かの違いだといえますが、どちらが良いというものではなく、親御さんの方針や好みで選択が分かれるものなのだと思います。

私は可能な限り後者のやり方に拘ってみたい派です。

中学生以降の人生では、予め誰かが環境を与えてくれるという有難いことは滅多になく、自身で必要なものを判断し、結果が出て、反省して次に生かすことの繰り返しです。
中学受験は、大人になるためのトレーニングの一貫でもありますから、受験するかしないかも、志望校も、塾の要否も、塾でサポートしてもらう内容も、せっかくだから自分で決めたらよいと思います。

結果、一人で判断するには幼な過ぎて、なかなか決められず、時間ばかりかかると思います。
でも、親は慌てて誘導するのではなく、「判断の材料をわかりやすく提示すること」に徹するべきかなと思います。

私は、子供に対して先回りするならば、「結論」を先回りするのでなく、「判断の材料をすぐに提示できる」ような形で先回りしたいなと思っています。

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