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中高一貫校生活の序盤の課題を考える③

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今回も先の2本の記事の続き。
ようやく中高一貫校生活の序盤の話の完結です。

中高一貫校生活6年を2年区切りで序・中・終盤に分けた場合、序盤の重要なテーマは「学校に慣れる」ことであり、それには下記3つの課題があるという記事でした。
・生活リズムに慣れる
・学校の学習進度についていく
・人間関係を構築する

今回は残る課題「学校の学習進度についていく」について、思うところを述べていきます。

中学・高校にお子様を通わせる保護者にとって、「勉強」というのは最も関心の大きな事項だと思います。
私立の中高一貫進学校に通わせている家庭は言うまでもありませんし、大学付属校に進学させるようなケースでも、特定の部活動の強豪校に入れたいというケースでの進学でも、あるいは公立校であっても、よほど振り切っているケースでもなければ保護者の意識の軸には「勉強」があるはずです。(子供の意識は別です)

これは、皆が大学進学を目指しているという話ではありません。
むしろ、義務教育以降の子の置かれる環境ですね。

義務教育までは、本人のモチベーションがどうあれ、家庭環境がどうあれ、子供は学校で学ぶ必要がありますし、親は子に教育を受けさせる義務があります。
ただ、高校以降の学習というのは、「本人が望まなければ受けさせる必要もないし、学校も無理に受け入れる必要がない」わけです。

割と普通に高校生活を送っている人はほとんど意識しないかもしれませんが、生活が極端に乱れたり、学業不振が極まったり、そうした状況になると、高校以降の学校というのは本人にとっては居心地の悪い場所、在籍している意味を見出せない場所になってしまいます。
どんなご家庭でも、そうした未来のリスクをうっすらと感じているのです。
ですので、
「出遅れないように」
「そこそこには」
「落第だけはしないように」

というように、保護者心理の中で勉強は、最優先目標ではないにしても、ある一定の基準にはなっていると思います。

では、多くの保護者が意識する「学校の学習進度についていく」という課題に対策はあるでしょうか?

もちろん、それは「ある」わけですが、私はそれ以前に思うところがあります。
それはチリ太郎を育てている中で感じることでもあるのですが…、

「我が子が学校の学習進度についていけるかどうか?」って
運」の要素がすごく強いと思います。

一般的には、「学力をどう伸ばしていくか?」という問いに対して、
「学力は努力で伸ばすもの」
みたいなイメージを持たれる方が多いと思います。

でも、私はチリ太郎を育てている中でこんなふうに思いました。

・子の学力が伸びていくかどうかは「運」の要素が強い
・「運」の中には、「IQ」「性格」「学習環境」「人との出会い」などを含む
・ただ、進学問題を前にして「運」では片づけられないため、「努力」や「課金」で「運要素」を埋めていく

こういう考え方をしてしまうと身も蓋もないかもしれませんし、「勉強に限らず、世の中のほとんどが運じゃん」ってことにもなり得ます。

まあ、私がいいたいのは、

「思春期の子の学力を伸ばすってことは、コントロールできるようでコントロールできないことがほとんど」

ということです。それを「運」と表現してみた次第です。

例えば、以下のようなよどみのない大学受験例を考えてみてください。

・高IQな両親のもと、高IQで生まれる
・幼少期から知的好奇心旺盛で素直な性格
・学校生活は友人にも恵まれ順調
・早くから自身の未来の目標を立て、それに向けて勉強を進める
・進学した学校の授業内容も素晴らしく、基本的に塾無しで大学合格

こういうパターンって羨ましくもありますが、勉強に必要と思われている「努力」という要素とは無縁なんですよね。いろいろなものが「進学」に向けて揃いすぎている例です。
でも、こんな例に当てはまる人ってほとんどいません。
皆、人生の中で大なり小なりの障壁があり、でも、それを乗り越えたいと思ったとき、「努力」であるとか、環境を整備するための「課金」という要素が出てきます。

ようやく庶民にとっての結論らしきものが見えてきました。

偉そうに一般論であるかのように主張するのは恥ずかしいので、最後も「個人的に心がけたいこと」という視点でまとめたいと思います。

チリ太郎は中学2年生まで、学校の学習進度にはついていけているようです。
ただ、中学3年以降、このまま順調にいけるかどうかはわかりません。
私がとても重要だと思っているのは、「学ぶモチベーション」と「人や学問との出会い」です。
学習が高校の領域に入ると、自分の能力の限界値近くの学習内容に対して、授業だけで理解しきるというのは難しくなります。そうしたときに、自分の中に「やってやろう」だとか、「やってみたい」と思える「何か」がなければ、学習を続けることに行き詰ってしまいます。
ただ、「新たなモチベーション」というのは、「出会えるか?」「本人がそう思えるか?」という点で「運要素」が強くて、親が隠れて支援したり努力したら誰でも手に入るという類のものではありません。

中学生ともなると「親が二人三脚で」というシーンはほとんどなく、「本人がどう感じるか」に任せるしかない状況です。
親の影響力、親の努力、課金なんてものは、子の学力に対して本当に微々たる効果しかないと思います。

中1ぐらいで子の成長を見て、やれる余地があれば色々やってあげるのは良いと思います。
ですが、大抵の子の場合は、中高一貫校序盤は徐々に親の手を放していく時期にあると思います。
ですので、あれこれ仕向けてみたり、先回りしていろいろすることにどれほどの効果があるのかわかりません。

そんな時、ある程度「運に任せる」気持ちって重要かなと思います。
我が子が運よく「気づいてくれること」「出会ってくれること」を待つ気持ちです。

あとは、本当に微々たる力にしかなりませんしが、時が来たときに支援できるように、コミュニケーションは確保しておきたいです。
加えて、私自身が「学ぶモチベーション」や「人や学問との出会い」を大切にすることも重要ですかね。
親は直接勉強を教えることはほとんどできませんが、学びや人生に対する姿勢は身をもって子供に伝えられる存在ですので。

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