チリ太郎の受験が終わって以降、中学受験の情報を真剣に眺めることがなくなりました。
しかし、早稲アカのメールは相変わらず届くので「ああ、4/4に第1回NNオープン模試があるんだなぁ」なんて懐かしく思ったりします。
そんな季節ですね。
チリ太郎はNN駒東に前期・後期と通いましたので、早稲アカのことは頻繁に記事にしました。しかし、中受塾の最高峰であるサピックスについてはあまり記事にしてきませんでした。(チリ太郎は小6の夏期講習のみサピックスに通っています)
以前から記事にしようと思っていたので、今回はサピックスについて思うことを記事にしてみたいと思います。
テーマもグッと絞りまして、「駒東に入るならサピックスか?」というテーマにしてみます。
さて、2022年のデータ振り返りから始めてみたいと思います。
2022年のサピックス駒場東邦合格者数は199人です。
ちなみにチリ太郎の通っていた早稲アカは49人。
駒場東邦の合格が290程度+繰り上げで310人ぐらい出ているとすると、サピックス生は約2/3を占めているわけですから、もう御三家だけではなく駒場東邦の合格者数でもサピックスの一人勝ちと言ってよい実績です。
この実績だけ見ると
「駒場東邦に行くならサピックス」
とアドバイスするのが普通ですし、私もよく知らないご家庭にアドバイスをするなら、
「まあ、実績からしてサピックスに入っておくのが無難なのでは」
と言うでしょう。
だって、その学校の合格実績の2/3を占める塾を紹介するのですから、もし結果が悪くても「アドバイスが間違っていた」とは言われないじゃないですか。
まあしかし、そういう意味ではこのアドバイスは「逃げと保身」の色合いが強いです。
より忌憚のないアドバイスをさせていただくなら、
「偏差値的に駒場東邦を目指すが、(伸びによって)御三家など上位への色気のある人はサピックス。志望校を駒場東邦から動かさないのであれば、別にサピックスでなくてよい。」
というのが偽らざる見解かもしれません。私はそんな風に思っています。
つまり、
「やっぱりサピックスって御三家や筑駒を目指すための塾であり、駒場東邦を目指す上では必ずしもこの塾である必要はない」
という意見ですね。
私がそのように思うのは、チリ太郎をサピックスの夏期講習に通わせた時の印象からきています。
その時の印象とは、
・ペース的にやや勉強過多な気がする
・そこまでやらなせくても駒東には無理なく合格できる道がありそう
というものです。
親というのはどうしても塾の課題が出ると「漏らさずやらせなければ」と思ってしまいます。元々のペースが上位を念頭に置かれたものですと、どうしても日々の勉強を「強いる」感じになりやすいです。
私はチリ太郎の受験について、「チリ太郎のペースで、親がガミガミ言ったり急かしたりすることなく受験勉強を進めたい」という希望がありましたので、その環境はマッチしていないと思ってしまいました。(塾ではなく、親の問題かもしれませんが)
まあ、割と好きにさせていたらゲームばかりしていましたので、結果的に「ガミガミ言う環境」になってしまうという矛盾がありましたが…。
しかし、チリ太郎は自分で選んだ環境で立派に完走しました。
私は今でも思うのですが、チリ太郎に関しては受験勉強を遅くはじめてよかったと。
遅く始めたことで塾選びを冷静に行うことができた。目指す学校と自分に合った環境を考えて選ぶことができたと。
中受界では、「サピックスの人気校は小学1年で枠が埋まってしまうため、とにかくサピックスに入れてしまう現象」があるそうです。
しかし、あまりに早く塾選びをしてしまうと、その塾のサイクルにどっぷり漬かってしまいますし、終盤の必要なタイミングで環境を変えることに臆病になってしまいます。
ちょっと実態に合わない考え方かもしれませんが、
・小5の春ぐらいまでにだいたい目指す学校のレベルを決める
・小5の夏ぐらいに目指す学校に合った塾を選ぶ
これぐらいのスケジュール感でも十分間に合うのではないかと思っています。
チリ太郎の選んだ環境は、個別指導塾+早稲アカNNというものでした。
これは勉強時間の面だけで見れば、サピックス生、早稲アカ内部生(かつNN駒東)の子供よりはるかに勉強時間が少ないプランでした。
でも、十分合格できました。
「可能な限り勉強させる。やった分だけ伸びる」という考え方もあると思いますが、「その子に合った勉強量」を選ぶ勇気も必要かもしれません。
コメント
こんにちは。
青ティさんのように色々省いた受験カリキュラムは勇気がいりますよね。
全ての講座・宿題を受ける必要はないと思いつつ
できるだけ受けて欲しいと思ってしまいますから。
サピックスは駒場東邦199人ですか!すごいですね〜
サピックスへの憧れはありましたが、
うちは親子ともに楽な徒歩圏内の早稲アカに通わせています。
早稲アカのハチマキ・根性などなど僕は好きです。
あと、NNの最後の授業に志望校の前まで行って
みんなで気合い入れるみたいですけど、
青春って感じなのも好感持っています。
来週はNNオープンです。
本試験まであと10ヶ月間、あと何回ドキドキしなくてはいけないんでしょうか。笑
ヒロ様
お疲れ様です。
早稲アカが徒歩圏なら良い選択ですよね。
NNオープンが近づいてきましたがこの時期のテストは運の要素も多分にありますので、そこが親としては最も気が気でないところかもしれません。
内部生であれば情報面で遅れをとることはないと思いますが、NNオープンはam•pmと別日を組み合わせて最大3校受験できます。
当時のチリ太郎は複数受験させられる状況では無く、私自身もam•pm受験ですら「すげえな」と思っていました。
ただ、今思うと、運の要素が強い以上回数で補うというのは理に適っていて、この時期にそれができるご家庭は意識の面で一歩リードしていたのかもしれないですね。
後悔とまでは言いませんが、「いろんな学校の問題にチャレンジできて楽しいし後々ためになる」というふうに強く勧めるべきだったかなと今は思います。もう2校受験させるとすれば、私の好みで「武蔵」、チャレンジで「開成」でしたでしょうけど。
青ティさま
お疲れ様です。
お返事ありがとうございます。
うちはNN早実と早稲田中を受験予定です。
もし、チリ太郎くんがNN駒東不合格で
NN開成に合格していた場合、NN開成に行かせていましたか?
志望するNNが落ちて別のNNが受かってしまった場合に
どうするのだろう?と疑問に思っていました。
いつもお悩み相談室みたいに使用してしまい申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
ヒロ様
ご質問ありがとうございます。
ご質問の件ですが、そうですね、当時も今も気持ち的には変わらず、おそらく志望校以外のNNでも一旦は通わせたと思います。その理由としては以下の通りです。
•私は早稲アカという塾が好きでしたので、ご縁があるならどんな形でも関わりたいと思っていたこと。
•NNクラスは上位校しかなく、多くの子にとって「基礎学習」というより「応用学習」になります。チリ太郎は基礎学習より応用学習の好きな子でしたので、どの学校のNNでも楽しく勉強できると思っていたこと。
•チリ太郎は平日学習が少なめでしたので、上記の学習がモチベーションアップと勉強時間確保に繋がると思っていたこと。
また、これに加えてNNクラスに通わせてみて、
•「志望校対策」というものを具体的に感じることができる良さがある。
•他校の志望校対策でも、(特に前期の時点では)巡り巡って本命校対策にプラスとなる。
ということを感じました。
まあ、デメリットとしては費用と時間の問題がありますよね。
日曜日に適度にやらせることがあるなら、前期の段階で無理に通わせる必要はないでしょう。
ただ、「合格」というワードはお子さんにとって想像以上のインパクトがあると思いますので、多分、「行ってみたい」と言うのじゃないですかね。そういう気持ちは大事にしたいですね。
青ティさま
お返事ありがとうございます。
青ティさんのような分析能力に長けているかたの
経験談はとても参考になります。
塾へも同じ質問をしたのですが、
塾「2回目のNNオープンまで通わせてみてはいかがでしょうか?
無駄になることはありませんし。」
私「(そりゃそうだけども。。。)」
迷いが晴れることはありませんでした。
NNオープンは第1志望校だけ受験すればいいかなあとも思っていましたが
出願している別のNN校も受験するよう子供には話してみます。
まずは「合格」というパワーワードをいただきたいです。
ヒロ様
NNは早稲アカの看板でしょうから、どのコースであっても品質は保証されていると思うのです。通えばきっと、「面白い」と感じると思いますし、「傾向としてこういう違いがあるのだな」という気づきがあると思います。(授業の中でそうした傾向についての話もしてくれますが、そういう視点を与えてくれるだけでも価値があります。)
よき導きがありますことをお祈りしています。
後期になると忙しくなり、併願校の対策に割ける時間が少なくなります。(仮に志望順位がさほど変わらないとしても、なかなか手を付ける気になりません。)
そういう意味では、意外と「前期だけ」なんですよね、あれこれ試せるのは。
前期は「お試し」又は「情報収集」のつもりで、幅広に構えておいた方がご本人のためになると思います。
青ティさま
子供の選択肢をできるだけ広げつつもっと柔軟に考えて、
その時の最良な選択をしていきたいと思います。
今回もたくさんのアドバイスありがとうございました。
昨日の記事「中学受験で得るもの」も心にしみました。
遊びが勉強とも言える小学生時代の3年間の多くを
勉強に使わせることが果たして正しいことなのか?という葛藤が常にありました。
子供にとってこの中学受験が良い経験として生かせたらいいな、と
ぬるい学生時代を歩んできた私は強く思います。