東京・神奈川の中学受験は、大方の受験校の出願状況が見えてきました。
東京の男女御三家の確定出願者数と前年比は、開成1,272名(103%)、麻布750名(99%)、武蔵539名(104%)、桜蔭599名(111%)、女子学院1,088名(154%)、雙葉435名(112%)。すべて前年度並みか倍率が上昇しています。
(ちなみに、チリ太郎の学校も前年比とほぼ同数の志願者数です)
事前情報では、御三家など難関を回避する動きがあるなどと言われた時期もありましたが、蓋をあけてみたら、サンデーショックによる女子学院の志願者増は別にしても、全体的には難関校増加傾向と感じ取れます。
毎度のことではありますが、ここで各学校の人気の推移を分析するようなことはしません(できません)。
そうしたことが得意な方がたくさんいらっしゃいますし、また、短期の動きを追うことにそこまで大きな意味はないと思いますので。
一応、中学受験における顔的な意味合いで、男女御三家の志願状況を書きましたが、東京を始めとする首都圏の私立中高一貫校は御三家以外にも良い学校がたくさんあります。
「何をもって良い学校とするのか」と言われると困りますが、私が実感とともにお伝えするのであれば、
①中高一貫教育の安定感
②その偏差値帯の生徒を育てることに長けている
ということは、特に首都圏においては多くの学校に当てはまるストロングポイントかなと思います。
意外と地味な長所ですが、そんなものです。
御三家以下の学校で「その学校ならではの取組」「その学校ならではの特徴」みたいなのを探したくなりますが、残念ながらそういうのって少ないのですよね。
カリキュラムとか、学校運営とか、進学実績などで「オンリーワン」と言えるようなものは本当に少ないです。
ですが、そうした「突出した何か」を持たなかったとしても、良い教育は行えますからね。
そこは産業界などとは違うところです。
皆似通っているように見えるのですが、「みんないい」というのが教育界です。
さてさて、私が挙げた(首都圏)私立中高一貫校のストロングポイントです。
①中高一貫教育の安定感
これは言わずもがなですが、私の実感としては、
もしその学校のカリキュラムについていけたなら、高校1年の終わりぐらいまでは塾いらずと考えても良い
というふうに思っています。
高2以降はさすがに目指す大学の難易度によって個別の調整が必要になりますが、やっぱり中高一貫の先取りカリキュラムは大学受験に向けてとても大きいと思います。
②その偏差値帯の生徒を育てることに長けている
これは本記事で特に強調したいことなのですが、首都圏には多数の私立中高一貫校があります。そして、それらが偏差値帯ごとにランク付けされていると思います。
私の生まれた地方なんて、ド田舎ではないものの、教育機関は都心と比べるとスカスカです。
公立校を含めてみてもややスカスカした感じであり、1校の中にいる生徒の質が少し広いのですね。
それに比べると、首都圏、特に東京には多くの学校があり、入学試験というふるいを通じて一旦は各生徒がレベルに応じた学校に振り分けられます。
個別に見ると奇跡の合格とか、まさかの不合格とかがあったりしますが、行先の学校の生徒層とその生徒の実力の間には、そこまで大きな乖離は生じないものと思います。
それぐらい、学校の層が厚く、入学試験がスクリーニングの機能を果たしているということです。
生徒の均質性が担保されていれば学校側は指導がとても楽ですし、生徒の質を前提にして教育活動を計画することができます。
各学校では、スクリーニングを経て入学してきた生徒を、しっかりと育成する手法を心得ていますから、入学してみると「意外と懐が深い学校だな」「対応が速やかだな」と思うことが多いです。学校からすれば、その偏差値帯の生徒に起こりそうな問題は、大抵経験済なわけです。
運営しているのは個別の学校法人なのですが、首都圏全体で見ると非常に優れた教育システムになっていると感心させられます。
1点注意点があるとすれば、これからの少子化で偏差値下位の学校から少しずつ、生徒の均質性が崩れていくと思いますので、そういう偏差値帯の学校はある程度注意が必要というところですかね。
中受界隈ではよく、「中受沼」なんて言われますけどね。
私が思うに、もがくから沼に嵌るのであって、成り行きに任せたらよいのです。
中受は全体で見ると優れたセレクションのシステムなのです。
親の評価や自己評価より低い判定を受けてしまうと、抗ったり反発したりしたくなるのが人情ですが、最終的には、指定された行先を受け入れて、そこに馴染むよう努めた方が好結果を生むと思います。