12月も半ばです。受験も大詰めですね。
最近は大学受験を意識した記事が多かったのですが、たまには中学受験のことも思い出して書いてみます。
と言いましても、私は塾講師でもなければ家庭教師でもありませんし、学歴も高くなければ自身の中学受験経験もありません。そんな私が中学受験の本質的な部分について、何かを語れるはずもありません。
頑張っている受験生やその親御さんにとって、成績アップに繋がるような話ができたらよいのですけどね。
でも、この時期にそんなとっておきの話ができるなら、それはそれで疑ってかかるべきですかね。皆が競っている状況でそんな都合よく成績が上がるなんてことはないでしょうから。
そう、成績を上げるのってそんなに簡単ではない。
この時期ですと、欠けていたピースが嵌ることによって、ググっと上昇する子がいたりしますが、そういうのは誰もが狙ってできることではありません。
努力しているのに、成績が上がっているように見えないととても辛いし苦しいですよね。(実際には着実に学力は上がっているはずですが)
中には、我が子の努力が報われるのかどうかと、悲観的になってしまう親御さんもいらっしゃると思います。
そういうときは、肩の力を抜き、広い視野で子の将来を考えてみることをお勧めします。
私は中学受験って良いシステムだなと思っているのですが、世の中には中学受験の負の側面を吹聴する方もいらっしゃいます。
多くは過度の競争によって親子ともども疲弊してしまうとか、塾の商業主義を私立学校との関係性も含めて指摘するような意見ですかね。
まあ、言わんとすることはわかりますが、一部の例をもって制度全体を否定することはできないと思うわけです。
うまく活用すれば非常にメリットが大きいはずなのに、そうできない人がいるってだけの話です。
それで、私が思う中学受験のメリットです。
ズバリ、「自分に合った学校を複数選べる」
ってところだと思うのです。
中学も高校も、大学もそうだと思いますが、受験というのは、表面的には「学歴を得るための偏差値競争」のように見えます。
確かに、肩書としての学歴は様々な面で力を発揮するかもしれませんが、偏差値65のA校と偏差値60のB校の教育に実質的な差があるかと言うと、そんなことは無いでしょう。
そこの偏差値5の差分に拘るよりも、両校の特徴、優れているところに着目した方がはるかに有益です。
特に親御さんは、(内心はどうあれ)そういう姿勢を崩さないように、冷静でいてほしいものです。
親の影響力って大きいです。親が偏差値や学校のネームバリューに囚われた発言を繰り返せば、その考え方は子にも伝わります。
逆に、親が多角的な視点で物を語る人ならば、子にもそういう視点が芽生えることでしょう。
第一志望校に憧れ、心を燃やすのもよいのですが、きちんと、「その学校だけではない」「世の中には良い学校がたくさんあり、我々は選ぶことができる」ことを教えておく必要があると思います。
そういう意味で、まだ正式に受験校を確定させていない方もいらっしゃるかと思いますが、受験校をしっかりと選ぶことですよね。絶対に全落ちしない受験日程を組むこと。
そして、理想としては、どの学校に合格しても「いい学校だよね。入学してからが楽しみだね」と思える雰囲気をつくることです。
(実際に見学に行けていたらベストですが、今更無理な場合はパンフレットやHPなどをしっかりと見て、受験校のポジティブな部分を探すことです)
中学受験でも高校受験でも、大学受験でもそうですが、受験校を偏差値でカテゴライズするじゃないですか?
受験生が必要とする情報としてやむを得ないとも言えますが、そのことが誤解を与える元にもなっていますよね。
つまり、「偏差値65の学校に合格したら、偏差値65の生徒になる」みたいな誤解です。
こんなのはレッテルに過ぎない。
何かの資格試験ならば、合格した人と不合格の人との間に明確な違いが出ますけどね。
中学受験で複数校受験した子の実力は、どこの学校に合格しようと変わらないはずです。
例えば、最後の瞬間に「まぐれでもいいから合格してくれ」と祈る親御さんがいたとして、本当にそれは必要でしょうかね?
一番重要なのは、「まぐれで実力以上の学校に合格する」ことではなく、「何れかの適正校に合格する」ことです。ミラクルとかドラマ的な展開なんて必要ないのです。
試験結果というのは様々なアヤがあります。
抗ってみても、なるようにしかなりません。
ですから、適正校を複数受験することで、どこかには合格できる受験日程を組むわけです。
入試って、数年の努力が本番1回に凝縮されるので、華々しくもあり、儚くもあり、ドラマティックであったりします。
でも、そこに引きずられ過ぎてはいけません。
実際には、試験の結果よりもこれから過ごす6年の方が遥かに大事で、正しく1歩1歩積み上げていけば、どの学校を選択したとしても6年後にはものすごいところまで到達できるはずですから。
その着実な歩みの第1歩目もまた重要です。
学校が決まれば、自然に慣れてはいくものの、可能であればポジティブな1歩目を踏み出せるようにしてあげるべきです。
来るべき試験に向けて、成績を上げるということも重要なのですが、その先の入学・学校生活の始まりまで、お子さんの気持ちは一続きに繋がっています。
親は先のことを見越しつつ、どんな状況になっても子供をポジティブな気持ちにさせてあげられたら、それが最強だと思うのです。