最近読んだ中学受験関連記事の中で、心から感心し共感できるものがありました。
開成中学・高校の元校長である柳沢幸雄先生が書かれた記事です。
「開成の元校長として伝えたい…子に悪影響を与える、親の一言」
タイトルの印象とは真逆で、どちらかというと、受験生を持つ親御さんの心の支えになるようなことが書かれています。
前半は、子供の成長曲線への理解と、停滞期における親の対応について書かれています。
そう、どんな子供も未知の領域の学習・技術の習得に際しては、成長曲線に則るのが原則です。
ですから、親は必ず前向きで、子供の力になる声掛けを心がけなければいけません。
人と比べたりするから、成長・習熟の速度が気になるのであって、どの子も学習をしていれば少しずつ成長していることは間違いありません。その点をしっかり評価してあげなければいけませんよね。
記事の後半では、受験にまつわる親御さん共通の悩みについて、柳沢先生のお考えが示されます。
中学受験しようと決めたときに誰もが思う、
「鶏口が良いのか牛後が良いのか」
つまり、偏差値的に安全な学校を選んで在籍期間に優秀な成績をキープするのがよいか、結果として成績が後ろの方になってしまっても、頑張って優秀な学校に合格した方がよいかという問題です。
柳沢先生はこの点について、
「敗北」が人間を育てるという観点から、「牛後を選択するべき」と説きます。
この考え方は、中学校に入ってからだけの話ではなく、正に、中学受験で第一希望校に合格できるかできないかという点についても当てはまります。
一般に第一希望に合格できない人が7割なんて言われたりもしますが、失敗しない、敗北しない人生なんてないわけです。
むしろ、柳沢先生は、「敗北や失敗からの回復こそが成功体験」とおっしゃっています。
そして、最後にはさすが元開成の校長先生と思わせる果敢さに溢れる言葉で締めています。
「負けるためにも、上へ上へとチャレンジさせてください。」
子供の人生だけでなく、自分自身の人生においても励みになる良い言葉ですね。
感動しました。