私は地方出身者ですが、関東に住み、中学受験について調べ始めて、驚き感心したことの一つに「麻布中学・高校の存在を知った」ことが挙げられます。
麻布中学・高校は言わずとしれた私立男子御三家の1校ですが、とりわけ、校風の面で異彩を放ち、その校風に憧れる生徒・保護者が多いことが有名です。
まあ、麻布の凄さ、良さを私のような部外者が語るのは憚られるのですが、素人考えで言えば、「自由」という抽象的な概念を、長い年月をかけて教員、生徒間で具現化してきた、そんな歴史を持つ学校というところでしょうか。
ですので、私のような部外者が「麻布って自由な学校だよね」なんて言うと、「あなたは麻布の自由を本当に理解しているのか」と言われてしまいそうで、本当に怖いです。それくらい、分厚い歴史を持つ学校だということですね。
そんな麻布中学・高校ですが、昨日、学園説明会ビデオ(動画)がアップされました。事前登録などの手続きなく見られるものですので、ご興味がある方は見ていただければと思います。
(ただし、50分くらい時間がありますので、時間の確保が必要です。)
https://www.azabu-jh.ed.jp/admission/orientation/
学園紹介ビデオですが、校長先生、校務主任・教務主任の先生方が学園の歴史や教育・生徒指導の内容を説明する中、ところどころにOBの方を出演させ、イメージ動画なども挟みつつ、飽きさせない内容になっています。
また、カメラワークや説明図の見せ方などにも拘っていて、何と言いますか、「麻布の紹介動画だから、麻布らしく」というような制作者の意図がひしひしと伝わってくるものになっています。
憚られると言いながら、もう少し語らせてください。
昨今の世の中の風潮は、何事も、サラリと、さりげなくというように、薄口の対応が主流です。特に、若者にはそういう傾向が見られますよね。
それに対して、麻布という学校は、「濃口」という印象を受けます。
例えば「自由」というワード一つをとっても、それを様々な角度から定義したり実践しようとする傾向があります。
その様は、見かたによっては、「くどい」、「やりすぎ」、「そこまでしなくても、誰も意識していない」等の印象を持たれることもあるでしょう。
前出の学園紹介ビデオも、麻布らしく演出に拘れば拘るほど、「意識しすぎ」「狙いすぎ」「かえってダサい」という印象を持つ方もいらっしゃるかと思います。
ただ、変わらない姿勢で続けていると、時代の方が後押ししてくれるようになるというケースも結構あります。
少し前に、「ダサかっこいい」というワードが、最近ですと、「あざと可愛い」なんていうワードが流行っていたりします。
麻布という学校の格好良さが、過去最高に評価される時代が近づいているかもしれないなと思います。