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研修旅行とチリ太郎の土産

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チリ太郎の学校の中学3年生は先週が研修旅行。
3泊4日の日程で行先は京都・奈良ですが、このあたりは代々変わっていないようです。

一人っ子である我が家は、子供が3日もいない状態というのはかなり特殊な状況です。
まあ、妻と居酒屋に行くなど、その時にしか行けないお店に行くのが定番の過ごし方ですけどね。

チリ太郎は金曜日の夜に帰ってきて、ものすごく疲れているかなと思ったらそうでもなさそうでした。
偶然、最寄り駅でチリ太郎と遭遇したので一緒に帰宅したのですが、研修旅行の様子をいろいろと教えてくれました。

小学生頃からそうなのですが、チリ太郎の話というのはだいたい
・こんなことをしている子がいた
・こんな出来事があった

というような内容で、普通の親だと、

「そうじゃないんだよ、聞きたいことは」

という内容に終始します。

どういうことかというと、
・そこに自分がどう関わり、どう思ったのか
という内容、所謂「感想」が抜けているのです。

極端な話、親が聞きたいことというのは
「楽しかったかどうか」です。
出来事の報告だけですと、チリ太郎が楽しかったのかどうかがわからないのです。

ただ、だからといって本当に聞きたいことをシンプルに、

「それで、研修旅行は楽しかった?」

なんて聞いたりはしません。

そういうありきたりな感想に落とし込むような質問は中学3年生の子にそぐわないですし、それは子との会話から親が読み取ればよいことですからね。

小学校時代は「楽しかった?」「何が一番印象に残った?」という総括的な質問をよくしましたが、中学生以降はあまりそういう聞き方はしないようにしています。
「自分の思いは、自分の中にしまっておく」ということも、時には大事だったりします。
それを無理に引っ張り出させる必要はありません。(必要な場合もありますが)

折角受験勉強して、授業料も払って通っている学校ですから、

「楽しい学校生活であって欲しい。充実した青春時代であって欲しい」

親というのはそう考えがちです。

私も、本音を言えばチリ太郎が毎日

「今日は学校で○〇がある。楽しみだなぁ」
「クラスメートや部活の仲間と話しをするのが楽しい」

なんて様子であれば、安心はするでしょう。

しかし、この年頃の子というのはそんな簡単なものではないと思います。
親の思いが強すぎれば、それを敏感に察する子もいるでしょう。
親の望む子供を演じることもできるでしょう。

「毎日が楽しい」と言ってくれれば親は満足ですが、その言葉を額面どおりに受け取ってよいかは親の洞察力、想像力が試されるところです。

チリ太郎はどちらかというと、言葉は足らない方ですし、気持ちが態度に出る方でもありません。加えて先に述べたように自分の感想は述べない。
割と淡々と学校行事をこなしている感があり、ともすると学校生活に何か不満があるように見えなくもありません。

ただ、それを親が根ほり葉ほり聞くのはよくない気がします。
それは、「親が安心したいがための質問」に過ぎません。
第一、何かを聞いたところで、子供の学校生活に親が直接介入できる余地はほとんどありませんし、大したこともしてあげられないのです。

チリ太郎は研修旅行のおみやげにご当地の銘菓を買ってきてくれました。
チリ太郎と駅で合った時、行事の感想よりもまず、

チ:「あっ、おみやげ買ってきたよ。賞味期限が短そうだから、早めに食べなきゃね」

という感じでした。

「そうじゃないんだよ、聞きたいことは」

と思いつつ、それでも、旅先でも両親のことを考えてくれていたのだなと思い、その部分だけはありがたく気持ちを受け取りました。

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