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危うさを感じる1本勝負

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ネットや皆様のブログを拝見していて思いました。

やっぱり、都立中高一貫校の受検は読めない要素がありますし、1発勝負というところに難しさがありますね。
もちろん、私立受験だって熱望校が1校しかないのであれば、条件は似たようなものです。
ただ、私立受験の多くの場合は、広めの偏差値帯から複数校受験をし、多少の幅はありつつも持ち偏差値付近の学校に落ち着くことが多いです。
対して、都立中高一貫校1本で目指している場合も、練習や様々な思惑で私立も含めて受験をすることが多いと思いますが、「ダメだったら合格をいただいた私立の中のどこかで」と言われても、正直、学費等の条件が異なりすぎて躊躇しますよね。

また、都立本命で適正検査対策に集中してきたご家庭の場合、私立で受験できる学校は、目指す都立中高一貫校の偏差値よりも結構下がるという事情も悩ましいです。
実際には、私立の中堅校(偏差値45~55くらいまでの学校)でも、環境が非常に良い学校は多数のようですので、「特待」などの条件がもらえれば、地元公立校から都立の進学指導重点校を目指すよりも良いケースだってありそうですけどね。

まあ、本人の希望やモチベーション、兄弟の数と家計の問題もありますので、このあたりの受験(受検)戦略は、ご家庭次第ではあります。
ただ、昨年も同じ時期に感じたことですが、今年もやはり同じことを考えてしまいます。

都立中高一貫の倍率を仮に5倍とした場合、合格者は20%、不合格者は80%です。
不合格であった80%のうち、「客観的、一般的に見て努力が足りていない受検生」はどれくらいいるでしょうか?

たぶん、10%もいないのではないでしょうか?

昨今、適性検査はしっかりと対策を取らなければ合格しないことを皆知っています。
多くの子は塾で、そうでない子でも家庭でしっかりと学習をし、適性検査対策をして、「小学生にしては過分ともいえる努力をしているはず」です。
そう、誰だって頑張っているというのは嘘ではないはずです。

そうした過分なる努力を続けてきた子たちが、適性検査に合格できなかったということで、「では、地元公立へ」ということで良いのか?

1つは、その子の人生にとってそれがベストな選択であるのか?
もう1つは、社会全体で見てそれがベストな制度なのか?

という点で疑問に思ってしまいます。

まあ、1つめの「その子の人生においてベストかどうか」については、極端に言えば、本人や親にすら分からない事項かと思います。
ただ、もう1つの「社会全体で見てそれがベストか」という議論は、大いにすべきだと思いますし、もっともっと良くなる余地があると思っています。

ザックリ言ってしまえば、「都立1本で頑張ってきた子が、それなりの場所に落ち着く制度」にしてほしいなと思います。

都立中高一貫校を増やすことも必要でしょう。
増やした上で2校くらい受検できたっていいじゃないですか。
また、一貫校でない中学校であっても、都立高校みたいに、「進学指導重点校」みたいなものがあっても、おかしくありませんよね。
もちろん、選ばれた人だけというより、義務教育が充実すればそれが一番よいです。

中学受験も受検も、それなりに共通する危うさがあると思うのですが、「都立1本」を願う人にとって、現状の制度は(受かった人にとっても、受からなかった人にとっても)とりわけ危うさがあるように思えて仕方がありません。

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