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中受は道楽

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私はどちらかと言うと中学受験肯定派だと思うのですが、今回は敢えて中学受験をネガティブに捉える立場から話をスタートしたいと思います。

なぜかと言いますと、最近、

「中学受験はコスパが悪い」
「中受の勉強をするぐらいなら、小5や小6から英語の先取り、中学数学の先取りをさせた方がよい」
「特に、中受算数なんて中学に進学したらほとんど無駄になるのだから、それをする意味がわからない」

というご意見を、ブログやネット記事などで目にして、

「確かにその意見は正しいよな」

と思ったからです。

私もそうですが、子供を私立に進学させたいと思い、中受を経てそれなりの成功体験を持つ親は、上記のような意見に脊髄反射で反論してしまいがちです。
しかし、私は本質的には正しいと思うのですよね、この主張は。

この主張を正とする観点では、中学受験は「極めて特殊な制度」であることになります。
社会科や理科は中学の先取り的な要素も多いので、中学に進学した後にも役に立ちますが、中受算数の存在はかなり独特です。
その証拠に、公立ルートで難関大に進学した親御さんが、「えっ、これ、方程式とか使わないで解くの?」と、戸惑われるエピソードは頻繁に耳にします。

「中受させたいぐらい能力も意欲もある子なら、中学算数を先取りさせるべき。その方が無駄がない」

という主張には反論の余地がありませんし、

「中受算数って本当に無駄だよね。中受のために存在させているとしか思えない」
という意見にもなかなか返す言葉が見当たりません。

唯一許される反論があるとすれば、

「だってしょうがないじゃないか。私立に入りたい場合は試験に合格しなければいけないのだから」

などと、えなり君を装って笑いを取りにいくことぐらいです。

こうした中学受験の実態をご存じの方はよく

「中学受験は道楽」というふうに表現されます。

まさしくそうなのですよね。

3年にも及ぶ期間、何百万という課金をして、中学に進学したら役に立つかなんとも言えない少しマニアックな入試に挑むのですからね。

現状の中学受験がなぜこのような制度になっているのか?

例えば、私立中高一貫校の経営者の方だって、今の受験制度がベストだとは思っていないと思うのです。
それが、

・公立学校への配慮
・義務教育への配慮
・受験や早期教育が過熱し過ぎないための配慮

いろんなものに配慮した結果として、今の精度に落ち着いているわけです。

ただ、その結果が「道楽」ともいえる状況になってしまっているのは…
実に皮肉なことです。

一番大切なのは、次世代を担う子供たちへの配慮であると思うのですけどね。
今の受験制度、本当に子供たちのためになっていますかね?

まあ、今まさに架橋を迎えるこの時期に言うことでもないのですが…。
ただ、そうして敢えて冷や水を浴びせるようなことを言うのは、
親の方は何かとクールダウンする必要がある時期だからです。

自分の子供が可愛いい、子供には幸せになってもらいたい

という思いは、親ならだれでも持っているものだと思います。
しかし、学業とか進学の問題で親が前のめりになりすぎるのは、よいことがありません。

特に中学受験などは、

「子供の未来のために」とか「子供の幸せのために」みたいに力が入りすぎるより、
自ら「道楽みたいなものだからね」と割り切って臨むぐらいが丁度よいのではないでしょうか。

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