本日も中学受験のお話。
前回の記事で、11月頃が志望校選定の最終判断時期というお話をしました。
ただ、お子さん自身の学力というのは、この時期から2/1までの間にものすごく伸びます。
もちろん、他のお子さんも同じように伸びるので、普通にしていれば偏差値自体の変動はないのですが、学力自体は飛躍的に伸びているはずです。
そう、イメージとしては、小学5年生から小学6年の2月まで、右肩上がりの直線で学力が伸びるイメージではなく、11月あたりからギュンと上に反るような曲線を描く成長のイメージです。
多くのお子さんを見ている塾の先生が言うのであれば説得力がありますが、私が言っても説得力は薄いのですけどね。
なぜそう思うか?
答えは「過去問演習」にあります。
チリ太郎の受験の時、チリ太郎が第1志望の過去問で合格点を超えてきたのは12月頃でした。
今から思うと、チリ太郎も割と優秀な方だったと思うのですが、それでも過去問で合格点には届かないことが多かったです。
親としては滅茶苦茶不安です。
所属する塾(チリ太郎の場合は早稲アカNNでした)では順調そうに見えても、過去問である程度余裕を持って合格点を取れるようになるまでは、親の立場ではものすごい不安感があります。もしかしたら、受験生本人もそう思っていたかもしれません。
本命校の過去問で9月や10月に合格点が取れる子は稀で、多くの受験生(及び保護者)がこういう少し不安な経験をしていると思います。
ただ、相性もありますが、最終的には世代の中でそれなりの順位にいる子は、合格圏まで伸びてきます。
誤解を恐れずに言えば、寝ていても伸びてくると思います。
また無責任なことを言ってしまいましたが、私の印象としては、
「勉強の積み重ねがこの時期に結実した」
というより、
「心身の成長に乗じて理解が広がったり、これまでの勉強が(個人の中で)繋がったりする」
という印象が強かったので、少しオーバーな表現を使わせていただきました。
実際、12月頃のチリ太郎はよい集中力があった気がしますが、年末・年始あたりからはダラダラモードになり、その雰囲気は2/1まで続きました。
それでも、前受けも含めてきっちり合格を取ってきましたからね。
私としては、勉強量に応じて成績が伸びたという印象は全くありませんでした。
今回私がお伝えしたいことは2点あります。
1点は、
過去問が思わしくなくても心配しなくてよい。多くの子はここから飛躍的に学力を伸ばすので、同世代の中での立ち位置や塾の先生の見立てを信じて大丈夫。
(だから、変に慌てたりしないように)
ということ。
もう1点は、
中学受験に必要な子供の学力は、猛勉強で伸ばすというよりも、人間的にバランス良く成長することに伴い、学力もついてくるというのが正しい認識なのではないか?
ということです。
私はただの一般人なので、変な点前みたいなものを持っていません。
例えば学校の教師だとか、塾の講師だとか、あるいは子を持つ親も立場的にはそうであることがありますが、
・勤勉さ
・努力
そうしたものを肯定・推奨しなければならない立場にあります。
そうした立場にある人々は、例えば「第1志望合格」というような事例に対して、
・素質もあったが、それなりの努力をしていた
・コツコツやる子で最後にそれが結実した
・最後の追い込み、集中力は凄かった
など、「日ごろの勉強の成果が好結果に繋がった」と結論づけがちです。
もちろん、これを否定するつもりはありません。私も親なので、そういう倫理観は持っています。
ですが、これを真に受けて
「学力を伸ばすには勉強だ。勉強した分だけ伸びるはず」
「最後の追い込み時期は皆、猛勉強するものだ」
みたいなことを指導者が言い出すと、勉強自体が苦痛なものになりかねません。
そりゃ、全然勉強していない子が勉強をすれば伸びますが、そこそこやってきた子が猛勉強したからといって応分に伸びるかどうかはよくわかりません。逆効果すらあると思っています。
ですので、これからの2ヶ月の過ごし方として、
「最後は猛勉強するんだ」
というような思い込みを排除し、お子さんをゆったりと見守ってあげて欲しいなと思います。
もちろん、本人がヤル気になり、集中しているのを止める必要はありませんけどね。
過度に追い込むようなことさえなければよいなと思っています。