Yahoo!ニュースを見ていて、下記のニュースに目が留まりました。
名門カリフォルニア大学で“中学数学を教え直す”異常事態 理工系教員ら1000人超が連名で抗議文書 原因は……
https://news.yahoo.co.jp/articles/985ea2501a7ed4c6cc07c19953defc6b56fc41ed
ニュースから抜き出して概要を説明します。
カリフォルニア大学(UC)サンディエゴ校の報告で、「高校レベルの数学スキルに満たない学生の数はこの5年で約30倍に激増し、そのうちの70%はなんと中学生レベルにも達していない」ことがわかったそうです。
学力低下と格差拡大の引き金となったのは、
「2020年に決定された全米共通学力試験(SAT/ACT)の提出義務廃止である」
と推察されていて、
STEM分野(所謂理系分野の専攻)の教員らは教育体制に関する公開書簡(抗議文書)を発表し、SAT/ACTスコアの提出義務を復活させるべきだと主張しており、署名者数が増加しているとのことです。
日本から海外大学に挑戦する方も増え、ネット界隈でも海外大学受験の情報が得られるようになってきましたが、海外大学入試と言えば「エッセイ」の重要度が高いと聞いています。
ただ、このニュースでは、
「教員らは、高校の成績インフレやAIを利用した自己アピール文(エッセイ)が横行する現状において、現在のGPAやエッセイに偏った選考方法では、学生が大学レベルのSTEM教育についていける基礎力があるかを正確に判断できなくなっていると指摘する」
と報じていて、この選考方法の負の側面を伝える内容となっています。
やっぱり、何等かの方法で「基礎学力の保証」は必要だということですね。
日本の大学でも、ここ数年で一般選抜から総合型選抜や推薦へ移行する動きが顕著になっています。
総合型選抜は基礎学力を要しないとまでは言えないので、UCの例とは異なるかもしれませんが、いずれにしても、特色入試みたいなものが増えて入試時の学力のチェック機能が弱まると、その大学の学生の質は落ちることになるということを再認識すべきかと思います。
また、このニュースで考えさせられる部分、下記の一文ですね。
「高校の成績インフレやAIを利用した自己アピール文(エッセイ)が横行する現状において」
つまり、「GPAやエッセイで選考されるとわかれば、様々な方法で自分を良く見せることが可能な世の中だ」
と、大学の先生方も思っている。
まあ、その大学に入りたければ、できる努力はするのが人情であり、この場合は受験生が決してズルをしているとまで言い切れないでしょう。
ただ、本質的な部分、「その大学で学ぶに足る基礎学力がある」という点に正面から向き合っている人が少ないということなのかもしれませんね。
そういう点は日本もアメリカも同じ。
よく、「アメリカの大学は(日本の逆で)入るのは比較的簡単で、卒業するのが難しい」といわれるのですが、アメリカの先生方だって暇じゃないですから、学力が足らずにバンバン落第していく生徒が出れば、「教え損じゃん。勘弁してよ」ということになるのでしょう。
大学受験というのは人生における一つの関門です。
そこに至って自分の弱みを克服するよりも、「何らかの方法でワンチャン合格できないか?!」といろいろ模索したくなります。そういうところは日本でもアメリカでも同じなのかもしれませんね。
そういう視点でこのニュースを見ていたら、なんだか認識を改めなければなと思えてきました。
やっぱり、大学入試って意識しちゃうのですが、大学入試にばかり囚われると道を誤りやすいということですね。
大学進学を前提にした場合、中高の学習で一番重要なのは大学に入ってから専門的な学習を進めるための基礎学力をつけること。そして、自分で考える力や学ぶ意欲をしっかりと育てることですね。
日本においても、大学入試を戦略的に捉えすぎて効率主義に陥ったり、学ぶ教科を極端に絞っていったり、学習の王道から外れるような方向に行ってしまうことってあると思うのです。(いや、むしろそんなことばかり?!)
そういうところは、子を育てる親としては気をつけなければいけないなと思いました。