先日記事にさせていただいた小判の話ですが、思うところあって、チリ太郎と図書館に行き、本を借りてきました。
昔の貨幣の解説してくれる本が、そんなに都合よくあるかと心配ではありましたが、ありました!
薄い本で3冊に分かれていますが、実物大のカラー写真が載っていて、イメージにぴったりの本です。しかも、「江戸時代あたりの小判のことがわかれば」と思っていたところ、飛鳥時代~戦国時代、江戸時代、明治~現代と時代を3つに分けて貨幣の導入から発展までを解説してくれています。
さて、冒頭に話を戻しますが、「思うところあって」という点。
先日の就寝前に妻とチリ太郎と話した内容、なんだか公立中高一貫校の適正検査問題に似てるなって思ったのです。
その時代における貨幣の役割を知るということは、社会科の分野ですが、例えば小判の鋳造や金の配合割合などは理科ですし、1両が4分でといった単位換算は算数です。
1つの話題の中にいろんな教科の要素が入っていて、とてもよい教材になるのではと思ったわけです。
もう1つの狙いは、基本的にチリ太郎は社会の学習は率先してやりませんが、理科、算数の本は興味を持って読むことができるので、貨幣の成り立ちのような話は、理科・算数の要素に引っ張られて、社会の学習も知らないうちに学ぶことができるのではないかと考えたのです。
果たして、チリ太郎の反応ですが…。
めっちゃ食いついてます!
すでに飛鳥~戦国を読了し、江戸時代も間もなく読み終えてしまいそうな勢いです。
チリ太郎が読書しているところを傍で見ていたのですが、やや興奮気味に、読んでは私に説明し、読んでは私に説明しの繰り返しで、なんだか私もじっくりその本を読んでみたくなりました。
飛鳥~戦国時代の貨幣の話は、有名な「和同開珎」の導入と、政府による新銅銭導入への取り組みが説明されています。
チリ太郎の説明を聞く限りでは、ほとんどの政策が失敗に終わり、なかなか銅銭が普及せず、物々交換に戻ってしまったり、銅銭の価値が思ったように定着しなかったりを繰り返すようです。(そこまでのことは学校でも習わないので、私も知りませんでした。)
貨幣経済を定着させるには、政府や貨幣に対する信頼が最も重要ですが、要するに、行き当たりばったり、試行錯誤で、民心の信頼を得られなかったという話なわけですね。まさしくこれは、社会科の中の歴史と経済の学習です。
チリ太郎は政府が何度も失敗する様を笑いながら説明してくれましたので、そこが面白いと思ったポイントなのでしょう。
また、戦国~江戸時代になりますと、大判や小判が出てきて、銀や1文銭との交換レートや小判における金の配分量、幕府による悪鋳(粗悪な貨幣を造ること=金の配合率を下げる)による不当利益といった問題が出てきて、話の中に算数的な要素が多く見られるようになります。(チリ太郎の説明による)
チリ太郎も、例のごとく、計算機を片手にカタカタやりながら、独自計算をしつつ、読み進めていました。
まあ、貨幣のことを知ることが直接中学受験に関係あるかと言いますと、そこまで期待できなくて、7割くらいは雑学に入ってしまうでしょう。
しかし、今回すごくよかったと思ったのは、「苦手教科でも、得意な面や興味を持ちやすい面からアプローチできる」ということを実感できたことです。
もちろん、得意・苦手、興味のある・無しに関係なく、淡々と解くべき問題を解き、覚えるべきことを覚えるなんて大人びた勉強ができれば、それに越したことはありません。
ただ、やっぱり小学生なので、少しでも楽しいと思える要素を持たせたいですよね。