このニュースがとても気になりました。
「国連、障害児の分離教育中止要請 精神科強制入院、廃止も」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4764a790ab862d8f5358509afda7472e72be609
日本では特別支援学校があたりまえのようにありますが、障害者権利条約に基づくグローバルスタンダードは教育の場において健常者と障がい者を分けないのですね。
そのことを「インクルーシブ教育」と言うらしいのですが、恥ずかしながら、私はこの言葉すら知りませんでした。これを機に、注目していきたいと思います。
ネットニュースのコメントを見ると、様々な方がご意見を述べられていて参考になるのですが、やはり、具体的に想像できる問題
・コストや教育現場の整備
・子供の学びへの影響(これは健常者、障がい者双方にとって)
に大別できると思います。
現場に携わっておられる方ほど強く様々な課題を感じることでしょう。
私個人の考えを述べますと…。
まず持つ印象として、
地球温暖化対策だとか、SDGsだとか、もろもろの権利云々みたいなことは皆同じように「トレンド(流行)」のように見えます。
誰かが理念を提唱し、主要な国や影響力のある人が賛同し、言い方は悪いのですが、周りを巻き込みながら「強制」するような流れをつくります。
それが本当に意味のあることか、具体的に効果のあることなのかというのは未検証だったりしますけどね。
ですので、本質を真剣に考える人は反発するわけですね。
「大きなお世話だし、当たり前に大切なことなら既にやってるよ」
という具合に。
まあ、こうした国際機関の勧告には従わなくてよいものが多いのですが、これもその手のものです。しかし、「勧告」「中止要請」というような強い表現で来るので、感情的に反発してしまいそうですよね。
そこで一旦冷静になって、これをむしろ良い方向に行くように利用できないかなと思いました。
先に記事にしましたように、日本の予算制度において「教育費の増額」を求めることはかなり絶望的ですので、こうした権威ある機関からの勧告を利用して体制整備のための予算を求めつつ、同時に自分たちの進めたい方向に教育現場の整備できないかということです。
正直に言って、インクルーシブ教育なるものが、既存の日本の教育と比較して優れているかどうかはわかりません。
しかし、日本が先進国である以上、こうした世界のトレンドに「乗らない」という選択肢は取りにくいです。
しかし、冷静に考えれば、もともと教育というのは子供1人対してフルオーダーであるのが理想中の理想です。
ただ、お金と手間がかかりすぎるのでそうしないだけであって、そこはそれぞれの国が合理性を考えてどこかに線を引いて落ち着くわけです。
今回、その線の引き方が流行遅れだと指摘されたわけですが、その指摘(インクルーシブ教育)は子供に合わせてカスタマイズした教育を行うものですので、大きな方向性では間違っているものではありません。
その方向性に沿う形にするということは、「お金や手間をかける」ということですから、予算を引き出す口実としては最適ですね。
このニュース記事の締めにもありますが、「インクルーシブ教育」に関する国の行動計画は是非作成するべきですし、文科省はこれを好機と捉えて、気合を入れて計画を作成するべきでしょうね。